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自然免疫の活性化により小細胞肺癌の抗癌剤耐性克服を目指す新たな治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K07639
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53030:呼吸器内科学関連
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

南 俊行  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00705113)

研究分担者 木島 貴志  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90372614)
北島 一宏  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80448860)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード小細胞肺癌 / 自然免疫 / I型インターフェロン / 癌免疫療法
研究開始時の研究の概要

SCLCの生物学的特性として「易抗癌剤耐性獲得性」「高増殖性」「高転移性」が挙げられる。本来このような細胞では、細胞の生存・増殖・遊走能に関わる膨大な量の種々のRNA(mRNA, miRNA, lncRNA, circRNA)が合成されているはずである。にも関わらず、SCLCにおいて抗腫瘍免疫が活性化されないのは、ADAR1が恒常的に活性化され、dsRNA由来のType I IFNの産生を抑制しているからではないかと考えている。本研究ではADAR1の制御でType I IFNの産生を高め、自然免疫系を活性化する事が、ICIの効果が乏しいSCLCにおいて新たな癌免疫療法になり得るかを検証する。

研究実績の概要

小細胞肺癌(Small Cell Lung: SCLC)は、その高増殖性・高転移性・易抗癌剤耐性獲得
性のため肺癌の4つの組織型の中で最も予後不良である。肺癌治療は①ドライバー遺伝子変異・転座陽性例に対する小分子阻害薬、②血管新生阻害薬、③免疫チェックポイント阻害薬(Immune checkpoint inhibitor: ICI)の3つに大別される分子標的治療薬の相次ぐ登場により格段に進歩し、「内科的治療では肺癌の根治は不可能」という概念が覆されつつあり、SCLCにおいてもICIと細胞障害性抗癌剤の併用療法が、約20年ぶりに新たな標準治療として登場し、実臨床で使用されている。しかしながら現実的には非小細胞肺癌(non-SCLC:NSCLC)で見られるような生存期間の持続的延長効果をICIがもたらす事は少なく、特に2次治療以降でその有用性を示すデータは皆無である。
本研究の目的は、特に自然免疫系を活性化する事が、SCLCの抗癌剤耐性の克服と長期間の病勢制御に繋がるかを検証する事である。申請者らは自然免疫と獲得免疫の両者を結ぶ鍵分子と言われているI型interferon(Type I IFN)に注目していて、Type I IFNの発現調整に関わる分子を標的とした治療が、SCLCに対する新たな癌免疫療法となり得るかを検証している。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、引き続きSCLC細胞とその抗癌剤耐性株を使用したin vitroの解析を行なった。申請者らは過去にSCLC細胞はMHC classⅠ分子の発現が弱く、それが獲得免疫が働きにくい理由かと考えていたが、SCLC細胞と抗癌剤耐性株の各免疫チェックポイント分子(Immune checkpoint molecule:ICM)の発現を調べた所、抑制性ICMであるGalectin-9の発現が抗癌剤耐性株で大きく低下している事が分かった。Galectin-9低発現細胞natural killer細胞といった自然免疫細胞に感受性が高い事が知られており、やはり自然免疫系の活性化はSCLCにおいて抗癌剤耐性の克服に有用であると思われた。
当初はRNA編集酵素であるAdenosine deaminase acting on RNA(ADAR)-1に注目して解析を始めていたが、自然免疫活性化の鍵分子としてのType I IFNの発現は、DNA結合蛋白であるZ-DNA binding protein(ZBP)-1の発現とlinkしている事が分かった。
SCLC細胞はもともと「高増殖性」「高転移性」の細胞で、足場非依存的にも増殖する事が可能である。このような細胞の内部では大量にエネルギーを産生していると考えられ、現在ZBP-1に結合するDNAとしてミトコンドリアDNAに着目して解析している。

今後の研究の推進方策

3年目はin vitroの解析をさらに進めると同時に、in vivoの解析も行う予定である。
課題としては、ヒトType I IFNはマウスの細胞に働かないという点である。マウスのSCLCについては肺胞上皮細胞のRbとp53をKnockoutする事によって自然発生するモデルが知られていて、その胚はジャクソンラボラトリー社から購入可能である。このモデルから発生した腫瘍をex-vivoで再培養し、cell lineを樹立した上で、ZBP-1のノックアウト細胞を作成し、wild typeのマウス皮下に移植する事で、in vivoの解析を進める予定である。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2025

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 自然免疫系の活性化によるドライバーがん遺伝子陽性肺癌の根治を目指す免疫療法の確立2025

    • 著者名/発表者名
      近藤 孝憲、南 俊行、清田 穣太朗、徳田 麻佑子、東山 友樹、多田 陽郎、袮木 芳樹、藤本 大智、大搗 泰一郎、三上 浩司、高橋 良、栗林 康造、木島 貴志
    • 学会等名
      第65回日本呼吸器学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] 中皮腫瘍取扱い規約2025

    • 著者名/発表者名
      南 俊行、木島 貴志、関戸 好孝他
    • 総ページ数
      167
    • 出版者
      金原出版株式会社
    • ISBN
      9784307204804
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-12-26  

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