研究課題/領域番号 |
23K07664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
田端 千春 兵庫医科大学, 薬学部, 教授 (90432393)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中皮腫 / キナーゼ / サイトカイン / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性中皮腫は胸膜・腹膜・心膜などに発生する悪性腫瘍であり、石綿・アスベスト曝露との関連性が高く、診断確定後の平均寿命が約6~8ヶ月である非常に予後不良の疾患である。アスベスト曝露数十年後に発生する悪性中皮腫はわが国でも今後さらに増加傾向であり、社会的問題でありその対策は我が国において非常に重要であるが、悪性中皮腫に有効な治療法は十分に確立されていないのが現状である。 本研究の最終目標は、悪性中皮腫におけるマルチキナーゼ発現制御機構を解明して、臨床応用可能な新規治療法を開発することである。
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研究実績の概要 |
悪性中皮腫は石綿・アスベスト曝露に関連して胸膜・腹膜などに発生する予後不良の悪性腫瘍である。わが国では以前は建造物材料などにアスベストは様々なところで使用されていたが、現在わが国においてはアスベストの使用は禁止されている。しかしながらアスベスト曝露数十年後に発生する悪性中皮腫は今後さらに増加傾向を示すことが予想され、わが国にとっては大きな社会的問題である。アスベストを扱う労働者に限らず、その労働者の家族、アスベスト工場やアスベストを用いた建物周辺の住民にもアスベスト曝露が認められるために、アスベスト曝露で発生する悪性中皮腫対策は、国民にとっては非常に深刻な問題である。 悪性中皮腫は放射線治療に抵抗性であり、かつ手術困難である症例が多いため、多くの症例は抗がん剤を使用する化学療法の適応となっている。しかしながら、現在の臨床で使用されている有効な抗がん剤はシスプラチン・ペメトレキセド以外の選択肢はほとんどなく、また治療抵抗性であるために、治療法が未だ十分に確立されていないのが現状である。そのため有効な新規抗がん剤の開発研究は世界的に非常に重要である。 本研究代表者はこれまでに、間質性肺炎・肺線維症の病態メカニズムの解明と新規治療法の開発研究を施行してきた。その結果、間質性肺炎・肺線維症と炎症性サイトカイン・線化関連サイトカイン・血管新生関連サイトカインやアポトーシスの関連についての研究成果を実証し報告してきた。間質性肺炎・肺線維症の主要な原因細胞のひとつに肺線維芽細胞があるが、その肺線維芽細胞と同様の間葉系細胞である中皮細胞の形質転換によって悪性中皮腫が発症する。そのため研究代表者が現在までに行ってきた間質性肺炎・肺線維症の研究成果を中皮腫研究に発展させて、悪性中皮腫の新規抗がん剤の開発を研究目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺線維芽細胞と同様の間葉系細胞である中皮細胞ががん化して発生する悪性中皮腫の研究を実施してきた。その結果、悪性中皮腫細胞におけるAng-1オートクライン自己増殖メカニズムやVEGF・Ang-1の悪性中皮腫におけるバイオマーカーとしての有用性などを世界で初めて発見した。サイトカインのシグナル伝達にはキナーゼが主に関与していると報告されている。呼吸器悪性腫瘍である中皮腫や肺がんにおいては、マルチキナーゼを標的とした抗がん剤は未開発の状況である。現在、マルチキナーゼによる悪性中皮腫細胞の増殖や細胞遊走などに関する影響を詳細に解明するための基礎研究を現在遂行中である。また間質性肺炎とマルチキナーゼの関連の研究も同時並行して施行している。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者がこれまでの研究成果は、悪性中皮腫においてサイトカイン/マルチキナーゼをターゲットにした新規治療法の開発の可能性を示唆している。そして現在までの研究の進捗状況をさらに発展させて、悪性中皮腫の臨床応用可能な治療方法の新規開発研究を目指す。悪性中皮腫細胞を用いた基礎研究をさらに詳細に解析・遂行し、臨床応用を目指している。
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