| 研究課題/領域番号 |
23K07675
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鳥巣 久美子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20448434)
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| 研究分担者 |
中野 敏昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
土本 晃裕 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (50572103)
秋本 卓 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (50816618)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | アルギニン代謝 / スペルミジン / ポリアミン / 腎障害 / 尿細管細胞 / 加齢 / 抗加齢因子 |
| 研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病を含む加齢性疾患の割合は増加しており、いかに加齢性疾患を抑えるかは重要な課題である。アルギニン代謝物であるスペルミジンは抗加齢因子として報告されている。全身のスペルミジンは食事からの摂取、腸内細菌、肝臓での代謝、腎からの排泄により調節されると言われるが、腎臓はスペルミジンの排泄だけでなく、能動的にスペルミジンの産生に関わりスペルミジンの分泌を介して腎疾患のみならず全身疾患の制御に関わると考えた。ヒト慢性腎臓病患者血清でのスペルミジン濃度と腎機能や蛋白尿との関連、慢性腎臓病マウスモデルを用いてスペルミジンを増加させる治療法の開発、スペルミジンの細胞保護機序の解明の3本柱で研究を進める。
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| 研究実績の概要 |
アルギナーゼ2(ARG2)はL-アルギニンを分解する酵素であり、血管内皮細胞、腎尿細管、マクロファージに特に高く発現し、様々なストレスにより発現が誘導される。これまで我々はARG2ノックアウトマウスを用いて、急性腎障害ではARG2を欠損すると腎障害が軽減し、慢性腎障害ではARG2を欠損すると線維化が増悪することを明らかにした。急性期には過剰な活性酸素の産生を抑制し、慢性期にはシグナルとしての適切な量の活性酸素の産生が必要であり、その細胞内の活性酸素産生の制御にアルギニンに由来するスペルミジンなどのポリアミンの代謝が関与すると仮説をたてた。スペルミジンは抗加齢因子であり、マウスの腎臓線維化に限らず腸炎、老化もスペルミジン投与により改善する。 抗加齢因子としてのスペルミジンの細胞への保護効果を明らかにするため実験を進めている。しかし一定濃度のスペルミジンやスペルミジンから代謝されたアクロレインを尿細管細胞に投与すると細胞死を起こすことが分かった。またその細胞死はフェロトーシスである可能性が高く現在証明を進めている。またスペルミジンを添加した時のミトコンドリア代謝を解析している。 スペルミジンの抗加齢因子の性質を踏まえ、若年(8週令)と中年(30週齢)マウスの腎臓内アルギニン代謝物を比較した。慢性腎障害モデルの一側尿管結紮マウスにおいて若年マウスの腎臓ではアルギニン代謝が活性化するが、中年マウスの腎臓ではスペルミジン、スペルミン、アクロレインの代謝物である3-HPMAが増加せずむしろ減少していることがわかった。 培養では活性酸素キーワードにしたスペルミジンによる細胞死や細胞保護機構の解明、個体では年齢によるアルギニン代謝の変化を明らかにする目標をたてている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一時的に実験を遂行できる人数が減ったため。今年度より予定通りの人数で培養細胞とマウスの実験を進めていく。
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| 今後の研究の推進方策 |
尿細管細胞だけでなくマクロファージにおいても、スペルミジンによる細胞死と細胞保護の機序解明を行う。スペルミジンだけでなくポリアミン類のプトレシン、スペルミン、またこれらの変換酵素であるスペルミジンオキシダーゼ(SMOX)やポリアミンオキシダーゼ(PAOX)にも対象を広げ、どれが活性酸素産生や細胞死、細胞保護の律速因子かを明らかにする。また加齢マウスでの若年と比較したアルギニン代謝物の変化を明らかにし、不足する代謝物に関しては外的な補充によって加齢が克服できるかを明らかにする。
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