研究課題/領域番号 |
23K07678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
小豆島 健護 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00760381)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高血圧 / 皮膚組織 / レニン・アンジオテンシン系 / ATRAP |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「皮膚組織レニン・アンジオテンシン系が皮膚組織機能を調節し、その活性異常により高血圧が生じる」との仮説を検証するため、1型アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)情報伝達系の内在性抑制因子であるATRAP(AT1 receptor-associated protein)に着目し、皮膚特異的RAS活性制御動物、皮膚ケラチノサイト培養細胞およびヒト皮膚検体を用いて、高血圧における皮膚組織RASの病態生理学的意義の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
高血圧は脳心血管病発症の最大のリスク因子であるが、その病態生理は未だ十分に解明されていない。これまで、血圧・体液・電解質バランスはレニン-アンジオテンシン系(RAS)を背景に、主に腎臓により調節されると考えられてきた。しかし最近、人体最大の臓器である皮膚組織にもRAS構成因子が存在し、また、皮膚組織局所に異常に蓄積したナトリウムが高血圧を引き起こす可能性も示唆されている。 本研究は、「皮膚組織RASが皮膚組織機能を調節し、その活性異常により高血圧が生じる」との仮説を検証することを目的としている。本目的を達成するために、1型アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)情報伝達系の内在性抑制因子であるATRAP(AT1 receptor-associated protein)に着目し、皮膚特異的RAS活性制御動物、皮膚ケラチノサイト培養細胞およびヒト皮膚検体を用いて、高血圧における皮膚組織RASの病態生理学的意義の解明を目指している。 Cre/loxPシステムを用いて、ケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウス(皮膚特異的RAS活性化マウス)の作製に成功し、ケラチノサイトのみでATRAPのmRNA発現が欠損していることを確認した。本マウスにアンジオテンシンIIの慢性投与による高血圧モデル作製したところ、対照マウスと比較してケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスでは高血圧が増悪した。また、ケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスの皮膚組織ではアンジオテンシノーゲンおよびアンジオテンシンIIの発現が亢進しており、皮膚組織RASの過剰活性化が示唆された。 現在、ケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスにおけるアンジオテンシンII投与時の皮膚組織RAS活性化のメカニズム解明を行うとともに、ヒト皮膚を用いた臨床研究の解析も開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は、①皮膚組織ATRAP発現変動による皮膚組織RAS活性変化が高血圧に与える影響の検討、②ケラチノサイトATRAP発現変動による皮膚組織RAS活性変化に関する分子調節機構の解明、③ヒト皮膚組織でのATRAPを含めたRAS構成因子発現と高血圧との関連性の検討、の3項目より成る。研究計画①に関して、マウスを用いて病態解明は順調に進んでいる。また、メカニズム解明のための研究計画②は現在進行中であり、また臨床研究である研究計画③も症例登録は順調に進み、中間解析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスにおけるアンジオテンシンII投与時の皮膚組織RAS活性化のメカニズム解明を行うとともに、ヒト皮膚を用いた臨床研究の解析を進めていく。
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