研究課題/領域番号 |
23K07680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
河原崎 和歌子 国際医療福祉大学, 基礎医学研究センター, 准教授 (50424594)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / Wnt5a / 高血圧 / 血管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧は加齢とともに増加するが、申請者は、加齢による血中の抗加齢因子Klothoの減少と、血管のnon-canonical Wntシグナルの亢進が、高血圧形成に中心的な働きを担い、Wnt5a阻害薬が有意に高血圧発症を抑制することを示してきた。これまでの研究により、高血圧形成においてアンジオテンシンIIとnon-canonical Wnt5aシグナルはクロストークを介して関わることが想定され、本研究ではその機序を検証し解明することを目的とする。また、これらシグナルは相乗的に血管障害に関与することも想定され、検証を行うとともに、同クロストークを標的とした新たな治療法の検討を行う。
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研究実績の概要 |
脳心血管病は、加齢や、高血圧などの生活習慣病を基盤として進行し発症する。高血圧は加齢とともに増加するが、申請者は、加齢に伴い血中の抗加齢因子Klothoが減少した状態では、高食塩摂取時に血管のnon-canonical Wnt5a-RhoAシグナルの異常活性化が生じ、血管収縮を増強させ、高血圧形成において中心的な働きを担っていることを明らかにし、Wnt5a阻害薬による介入が、有意に加齢による高血圧発症を抑制することをこれまで示してきた。また、高血圧形成に深く関与すると考えられているアンジオテンシンIIは、RhoAの活性化を介して血管収縮を生じるが、培養血管平滑筋細胞において、アンジオテンシンIIによるRhoAの活性化がWnt5a依存性に生じることから、生体においてもアンジオテンシン IIによる高血圧形成がWnt5a依存性にnon-canonical Wnt5aシグナルの活性化を介して生じることが想定されている。さらにKlotho減少下におけるWnt5aシグナルの亢進は、高血圧だけでなく、血管障害にも関与していると考えられ、本研究では血中Klothoが減少し、Wnt5aシグナルが増加するマウスの病態モデルを作成し、Wnt5aシグナル阻害の有用性の検証を進めている。また、アンジオテンシンIIによるRhoA活性化機構におけるWnt5aシグナルの関与因子を血管平滑筋培養細胞を用いて検証しており、アンジオテンシンII-Wnt5aシグナルのクロストークの機序の解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血管平滑筋培養細胞を用いた系において、アンジオテンシンIIによるRhoAの活性化に関わるWnt5aシグナル分子の検証を進めているほか、血中Klothoが低下し、Wnt5aシグナルが亢進している病態モデルマウスの作成と病態モデル解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
培養平滑筋細胞を用いた系において、アンジオテンシンII刺激によるRhoAの活性化に関わるWnt5aシグナル分子の同定を、異なる手法を用いて検証していくほか、アンジオテンシンIIとWnt5aシグナルのクロストークが、高血圧形成や血管障害にどのように関与しているかにつき、血中Klothoが低下した病態マウスモデルを用いて検証を進める。
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