研究課題/領域番号 |
23K07687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
片桐 大輔 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 腎臓内科 医師 (90840645)
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研究分担者 |
片桐 美香子 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (00970104)
野村 征太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10722118)
高野 秀樹 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 腎臓内科 診療科長 (40725347)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 微小環境マルチプレックス解析システム / 腎疾患 / CODEX / Spatial 解析システム / 糖尿病性腎臓病 / COVID-19 関連腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
微小環境マルチプレックス Spatial 解析システム co-detection by indexingは、一枚の組織切片上で、数十種類以上の蛋白質マーカーを検出可能な技術である。同一細胞の複数のタンパク情報をシングルセルレベルで得ることができ、多様な機能を有した細胞の集簇である腎臓においても有用であると考えられるが、腎臓領域では未だ殆ど検討されていない。本研究では、これまでに申請者グループが収集した腎臓病患者の腎組織検体に組織空間的シングルセル分子病理解析を行い、組織上の細胞種分類・ 細胞間/分子間相互作用解析・病態層別化を実施する。
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研究実績の概要 |
従来から行われてきた、免疫蛍光(IF)や免疫組織化学(IHC)のような、組織のSpatial次元を分析する現在の方法論は、一度に使用できるパラメーター数に限界があり、特定可能な細胞が制限されている。逆にマスサイトメトリーやNGSベースなどのシングルセル解析では、マルチプレックス化は可能でも、Spatial情報が得られない。微小環境マルチプレックスSpatial解析システムco-detection by indexing(CODEX)は、一枚の組織切片上で、数十種類以上の蛋白質マーカーを検出可能な、新しい技術である。同一細胞の複数のタンパク情報をシングルセルレベルで得ることができ、多様な機能を有した細胞の集簇である腎臓においても有用であると考えられるが、腎臓領域では未だ殆ど検討されていない。本研究の目的は、新規の病態解明を目指す上で、腎疾患に対する新しい組織シングルセル解析・オミックス解析技術の確立を目指すことである。本研究では、さらに蛍光検出感度・解像度が向上し、通常のスライド切片が使用可能となったPhenoCycler-Fusionを使用している。そのため、既に保管済みの通常のパラフィン切片を用いて検査が可能である。これまでに申請者グループが収集した腎臓病患者の腎組織検体から1) 糖尿病性腎臓病(DKD)、および2) COVID-19関連腎症(COVAN)に対して腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を行い、組織上の細胞種分類・細胞間/分子間相互作用解析・病態層別化を実施する。これまでPreliminaryな実験として、複数のANCA関連血管炎、IgA腎症およびCOVID-19関連腎症(COVAN)の腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行出来ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでPreliminaryな実験として、複数のANCA関連血管炎およびIgA腎症、COVID-19関連腎症(COVAN)の腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行出来ている。本解析には高額の試薬代および時間がかかるため、次々に結果が得られるという訳ではないものの、概ね着実に結果を集積できていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
COVANおよび糖尿病性腎症の患者に限らず、ANCA関連血管炎やIgA腎症といった他の腎疾患についても腎臓組織空間的シングルセル分子病理解析を施行している。血管炎症状が強いIgA腎症と、軽度なIgA腎症での相違を検討することで、新たな治療ターゲットや、治療タイミングの検討が進む可能性がある。今後、当院で全国的に患者のフォローを行なっている、シスチノーシスなどの希少疾患にも施行していきたいと考えている。
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