研究課題/領域番号 |
23K07695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高橋 直生 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (30377460)
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研究分担者 |
岩野 正之 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (20275324)
木村 秀樹 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (20283187)
糟野 健司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60455243)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | IgM / 形質細胞 / 尿細管間質性腎炎 / 尿細管性アシドーシス / ファンコニー症候群 / 尿糖 / PBC |
研究開始時の研究の概要 |
2017年世界に先駆けてIgM陽性形質細胞を伴った尿細管間質性腎炎の発見を報告した。疾患認知度は上昇したものの症例が散発性で、多数例の腎生検組織解析は難しい。今回の研究目的は、1) 重み付けポイント加算式診断基準を作成し、われわれが確立中のアルゴリズム式診断基準と精度を比較し、2) 患者全血中にIgMPCの存在を証明し、3) 多数例の腎生検FFPE検体で網羅的遺伝子発現解析を行い、実施済みの末梢血単核球のマイクロアレイ結果と比較し、4) 空間プロファイリング技術により、腎組織微小環境の細胞間相互作用を遺伝子、ならびに、蛋白質発現レベルで明らかにし、本疾患の病態を解明することである。
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研究実績の概要 |
われわれは、2017年世界に先駆けてIgM陽性形質細胞 (IgM positive plasma cells: IgMPC) を伴った尿細管間質性腎炎 (tubulointerstitial nephritis: TIN) (IgMPC-TIN) を報告した。このIgMPC-TINは、中年以降の女性に多く、半数に原発性胆汁性胆管炎、30%にシェーグレン症候群を合併している。臨床症状は、血中のIgM高値、遠位型尿細管性アシドーシスの存在、Fanconi症候群の存在、抗ミトコンドリア抗体陽性である。また、組織学的特徴として、間質に多数のIgMPC浸潤とTリンパ球による近位尿細管炎と集合管炎がある この報告後、わが国での疾患認知度は向上したが、症例は散発的であり、多数例での腎生検組織解析はなされていなかった。 そこで、今回、当施設と共同研究施設で地道な症例蓄積を行い、ようやく50例超のIgMPC-TIN症例を集めることが出来た。その中でも比較的典型的なIgMPC-TIN症例2例とコントロールとして間質病変がほぼないIgA腎症例1例の腎生検FFPE検体を用いて、尿細管と間質領域に観察領域 (FOV)を複数個設定し、ナノストリング社の空間マルチオミックス解析装置CosMxを用いてシングルセルレベルでの空間プロファイリング解析を実施した。まだ、解析データが納品されておらず、遺伝子発現解析はこれから行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CosMxは受託解析であり、単価が高く最小価格で実施するために、当方のスライド解析を他のラボの研究者のスライド解析とを合わせて実行する必要性が生じた。その結果、タイミングを合わせるための遅延が生じた。 また、CosMxは高価であるため、失敗が許されない。当方で提出予定の患者腎生検FFPEスライドが、CosMx解析検体として十分なクオリティーか否かを病理専門会社に依頼し、HE染色と質的評価を行ってもらい、その結果を踏まえ観察領域(FOV)を設定する必要性が生じた。これもやや遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
CosMxにより得られた情報を元に発現遺伝子解析を進める。合わせて、IgMPC-TIN患者の末梢血単核球を用いたシングルセル解析に着手する。
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