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傍細胞リン吸収メカニズムに着目した高リン血症治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07696
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

松井 功  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60456986)

研究分担者 猪阪 善隆  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00379166)
井上 和則  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10631301)
松本 あゆみ  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40794053)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードリン酸 / 腸管吸収 / リン / 消化管吸収 / 傍細胞経路
研究開始時の研究の概要

高リン血症が生命予後悪化と正相関し、リン吸着薬使用患者の生命予後が同薬剤非使用者に比べ良いことが広く知られている。しかしながら現状の高リン血症治療は必ずしも満足できるものではない。本研究では、これまで注目されてきた「ナトリウム依存性リン酸トランスポーター」ではなく「腸管上皮細胞における傍細胞リン酸輸送」に着目し、新たなリン負荷制御法開発を目指す。

研究実績の概要

Cldn3およびSlc34a2 floxマウスを作出した。当初、Neoカセットが残存したCldn3 floxマウスを用いた検討を試みたが、本マウスをVillin Creマウスと掛け合わせても腸管上皮細胞における有意なCldn3発現抑制が認められなかった。このため、FLP-FRTシステムを用いてNeoカセットを除去することで腸管上皮特異的Cldn3ノックアウトマウスを作出した。Systemic Cldn3ノックアウトマウスでは餌リン酸負荷により腎臓石灰化などの臓器障害が増悪したが、上記floxマウスを用いて作出した腸管上皮細胞特異的Cldn3ノックアウトマウスではそのような変化が認められなかった。このため、Cldn3は腸管上皮細胞におけるリン酸透過性制御のみならず、腎臓においてリン負荷増大に対して保護的な作用を示すことが示唆された。また、腸管上皮細胞特異的Cldn3 ノックアウトマウス、Slc34a2ノックアウトマウスにおいて、これらの遺伝子は互いの発現に影響を与えないことが明らかになった。
近年上市された腸管リン酸吸収抑制薬「テナパノール」は腸管上位細胞におけるCldn3やNaPi2bの蛋白質発現量に直接的な影響を与えないことを確認した。本薬剤は傍細胞輸送経路を制御することにより腸管上皮細胞におけるリン酸吸収を抑制することが知られている。我々の検討により、本薬剤は細胞間接着ではなく細胞内のコントロールに重要な役割を担う蛋白質のリン酸化および発現量を低下させることが明らかになった。このため、in vitro培養系において我々が同定した蛋白質がテナパノールの作用メカニズムとして重要であるか否か検討を進めつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

必要な臓器特異的ノックアウトマウスは作出済みであり、表現型の解析に取り掛かっている。またテナパノールの作用メカニズムに重要な役割を担う可能性が高い蛋白質を同定済みであり、in vitroにおける評価系構築を行っているため。

今後の研究の推進方策

作出したCldn3、Slc34a2 腸管上皮特異的ノックアウトマウス、および両者のダブルノックアウトマウスを用いて、0.13%, 0.29% 1.25%リン混餌食を与えた際の反応を検討し、腸管リン酸吸収におけるCldn3およびSlc34a2の役割を明らかにする。また、テナパノールはCldn3やSlc34a2に影響を与えずに腸管上皮細胞におけるリン酸透過性を制御しており、我々が本研究で同定したターゲット候補蛋白質がテナパノールの薬理作用に必須であるか否かをin vitro培養系を用いて明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Hepatic phosphate uptake and subsequent nerve-mediated phosphaturia are crucial for phosphate homeostasis following portal vein passage of phosphate in rats2023

    • 著者名/発表者名
      Seiichi Yasuda, Kazunori Inoue, Isao Matsui, Ayumi Matsumoto, Yusuke Katsuma, Hiroki Okushima, Atsuhiro Imai, Yusuke Sakaguchi, Jun-Ya Kaimori, Ryohei Yamamoto, Masayuki Mizui, Yoshitaka Isaka
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13(1) 号: 1 ページ: 5794-5794

    • DOI

      10.1038/s41598-023-32856-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 傍細胞経路を介した腸管リン吸収の制御2023

    • 著者名/発表者名
      松井 功
    • 学会等名
      CKD horizon conference
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Activation of fatty acid β-oxidation in proximal tubular epithelial cells is an intrinsic mechanism for suppressing phosphorus-induced kidney injury2023

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Katsuma, Isao Matsui, Kazunori Inoue, Yoshitaka Isaka
    • 学会等名
      American Society of Nephrology Kidney Week 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] カルシミメティクス Up to Date2023

    • 著者名/発表者名
      松井 功
    • 学会等名
      大阪透析研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] CKD-MBD治療の課題 と 展望2023

    • 著者名/発表者名
      松井 功
    • 学会等名
      日本CKD-MBD学会 学術集会・総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 肝周囲神経を介した神経伝達は既知の内分泌因子と独立してリン利尿を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      安田 聖一、井上 和則、今井 淳裕、奥嶋 拓樹、勝間 勇介、松本 あゆみ、松井 功、猪阪 善隆
    • 学会等名
      日本腎臓学会 学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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