研究課題/領域番号 |
23K07701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
正木 崇生 広島大学, 病院(医), 教授 (30397913)
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研究分担者 |
中島 歩 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40448262)
佐々木 健介 広島大学, 病院(医), 助教 (40770326)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 食塩感受性高血圧 / 免疫細胞浸潤 / Na輸送体 / 間葉系幹細胞 / Epigenetic制御 |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧の主な原因は腎臓にあり、免疫細胞浸潤が高血圧へ関与することを示す報告がある。MSCは抗炎症作用を有しており、経静脈移植したMSCは食塩感受性高血圧を改善するが、抗炎症による降圧作用がNa輸送体の活性化を制御するメカニズムや食塩感受性の個人差を説明する仕組みは不明である。Epigenetic 制御は環境や栄養因子によって影響されるため、食塩感受性の個人差の謎を埋める重要なメカニズムになり得る。本研究では、高血圧におけるMSCの抗炎症作用を介した腎臓への免疫細胞浸潤の低下が、Na輸送体の活性化に関与すること、さらに、そのメカニズムとしてEpigeneticな制御が関与することを明らかにする。
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研究実績の概要 |
高血圧の主な原因は腎臓にあり、免疫細胞浸潤による組織の炎症が高血圧へ関与することを示す報告は数多くある。経静脈移植したMesenchymal Stem Cells (MSC) は食塩感受性高血圧を改善するが、抗炎症による降圧作用がNa輸送体の活性化を制御するメカニズムや食塩感受性の個人差を説明する仕組みは推測の域を出ていない。本申請では、申請者らは、高血圧におけるMSCの抗炎症作用を介した腎臓への免疫細胞浸潤の低下が、Na輸送体の活性化に関与することを明らかにし、さらに、MSC移植による腎臓への免疫細胞浸潤の低下やNa輸送体の活性化抑制に、環境や栄養因子によって影響されるEpigeneticな制御が関与することを明らかにするために、下記のような実験を行なっている。令和5年度は、5週齢の塩分感受性Dahl Sラットに、1週目はベースライン血圧測定、2週目からは8%NaCl高塩分食を投与し高血圧ラットモデルを作製した。ヒトの脂肪由来MSC (1×106 cells) の移植は、高塩分食開始1週間後に尾静脈から行い、2週間後に再度MSCを移植し、高塩分食開始後4週間で屠殺し、MSCを移植したDahl Sラット(MSCラット)のテイルカフでの血圧を検討した。さらに、これらのラットにおいてNa輸送体の活性化を検討した。MSCラットでは、コントロールDahl Sラットと比較して、血圧が低下し、Na輸送体の活性化もリン酸化NCCにおいて高塩分食開始4週間後に有意に抑制が認められた。代謝ゲージによる採尿でも尿中ナトリウム変化が認められており、これらの変化が検証できた。さらに、これらに対するMSCの腎組織における炎症や腎障害、腎線維化に与える効果に加え、WNK4とSPAK/OSR1に与える影響について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
状態のよいヒトの脂肪由来MSC (1×106 cells) は入手済みである。MSCラットではコントロール高血圧ラットと比較して血圧が低下し、Na輸送体の活性化に関してはリン酸化NCCにおいて高塩分食開始4週間後に有意に抑制が認められた。この分野では購入可能な良い抗体が少なく、当初は評価に難渋し時間を要したが、良い抗体やターゲットとなるNa輸送体を発見することができている。WNK4に関しては良い抗体を探しているところであるが、SPAK/OSR1に関しては良い抗体を入手している。腎組織における炎症や腎障害、腎線維化に与える効果に対する評価方法は、我々の教室で培った技術で難なく評価できているため、研究の到達度は概ね順調と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、MSCの腎組織における炎症や腎障害、腎線維化に与える効果に加え、WNK4とSPAK/OSR1に与える影響について明らかにする。さらに、MSCラットの腎臓における炎症性サイトカイン(TNF-α / IL-1β / IL-6)産生への影響を評価すると共に、ラットの腎細胞を用いてフローサイトメトリーを行い、T細胞、B細胞、好中球、マクロファージ/樹状細胞の変化をそのサブタイプと共に評価する。本研究は、さらに再生医療の分野からのEpigeneticな機序を介した新たな高血圧治療薬の開発へとつなげることが期待できるかを明らかにするため、RNA-seqやChIP-seqを行い、in vivoおよびin vitroの両方で食塩感受性高血圧の進行に寄与するエピジェネティックな因子とそれが制御する遺伝子群を同定したいと考えている。
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