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遺伝子改変マウスを用いた腎臓におけるPiezo1、Piezo2の発現調節と形態機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K07704
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関杏林大学

研究代表者

長瀬 美樹  杏林大学, 医学部, 教授 (60302733)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードメカノバイオロジー / Piezo1 / Piezo2 / 遺伝子改変マウス / ポドサイト / メサンギウム細胞 / メカノセンサー
研究開始時の研究の概要

申請者はこれまでに、マウスやラットの腎臓において、Piezo1は糸球体、尿細管、集合管の種々の細胞に発現すること、一方、Piezo2は糸球体メサンギウム細胞と傍糸球体装置のレニン産生細胞に限局して発現すること、脱水モデルや高血圧性腎障害モデルで発現が変化し、血管周囲線維芽細胞で強発現することを明らかにした。本研究では遺伝子改変マウスを用いて、生体におけるこれら分子の機能的役割を明らかにする。

研究実績の概要

本研究は、Piezo1, Piezo2のKOマウスを、腎臓のメカノバイオロジー的に重要な役割を持つ細胞に特異的に作製し、その病態解析を行うことを目的とする。本目的を達成するために、今年度は正常マウスやレポーターマウスを用いた発現調節解析、メサンギウム細胞・線維芽細胞・ポドサイト特異的KOマウスの作製と形態機能解析を行った。
まず、正常マウスにおいて片側尿管閉塞(UUO)モデルを作製してPiezo2発現を定量PCRで解析したところ、時間依存的な発現上昇を認めた。正常マウスとPiezo2-GFPレポーターマウスを用いてUUOモデルを作製し、Piezo2 mRNAの局在とPiezo2-GFP融合蛋白の局在を解析したところ、両者は概ね一致していた。次に、Pdgfrb-Cre/ERT2マウスとPiezo2 flox/floxマウスを掛け合わせ、タモキシフェン誘導性細胞特異的Piezo2 KOマウスを作製した。産仔のうちCre陽性ホモマウスの割合が非常に低かったため、別のPdgfrb-Cre/ERT2マウスを購入し、ようやく安定したCre陽性ホモマウスを得ることができた。Cre陰性マウス、Cre陽性ヘテロマウス、Cre陽性ホモマウスにタモキシフェンを投与し、時期・細胞特異的KOマウスを作製し、十分なPiezo2欠損を生じるタモキシフェンの投与法を確立した。本マウスを用いて腎障害モデルを作製し、KOマウスと対照マウスで腎障害の表現型を比較している。Nphs1-Cre Piezo1 flox/floxマウスを用いてポドサイト特異的Piezo1 KOマウスを作製し、KOマウスと対照マウスで腎障害の表現型を比較し、Piezo1が欠損することで腎障害が変化するメカニズムを解析している。
以上のように、Piezo1, 2の細胞特異的な生理学的・病態生理学的役割を解析する系が確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Pdgfrb-Cre/ERT2マウスを購入してPiezo2 flox/floxマウスと掛け合わせたが、Cre陽性ホモマウスがなかなか得られず、別系統のPdgfrb-Cre/ERT2マウスを購入し直したところ、今度は繁殖がうまくいき、安定したCre陽性ホモマウスを得ることができるようになった。Nphs1-Cre Piezo1 flox/floxマウスも安定したCre陽性ホモマウスを得ることができている。このように、現在Piezo1, 2の細胞特異的な生理学的・病態生理学的役割を解析する系が樹立でき、解析を進めている。

今後の研究の推進方策

本研究では、遺伝子改変マウスを作製してPiezo1, Piezo2が腎病変形成過程に果たす役割を解明し、新規治療法開発の端緒とする。本目的を達成するために、レポーターマウスを用いた発現調節解析、メサンギウム細胞・線維芽細胞・ポドサイト特異的KOマウスの作製と形態機能解析、培養細胞を用いたメカノ感知応答分子機構の解析を行い、実験動物、細胞、分子レベルで解析を実施する。
初年度の研究で、足細胞特異的Piezo1 KOマウス、Pdgfrb陽性細胞特異タモキシフェン誘導性Piezo2 KOマウスを樹立することができ、障害モデルの解析に着手したので、次年度以降、その解析を継続するとともに、in vitro細胞培養系での検討も行い、その病態生理的役割とシグナルカスケードを明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Upregulation of Piezo2 in the mesangial, renin, and perivascular mesenchymal cells of the kidney of Dahl salt-sensitive hypertensive rats and its reversal by esaxerenone2023

    • 著者名/発表者名
      Ochiai Koji、Mochida Yuki、Nagase Takashi、Fukuhara Hiroshi、Yamaguchi Yoshihiro、Nagase Miki
    • 雑誌名

      Hypertension Research

      巻: - 号: 5 ページ: 1234-1246

    • DOI

      10.1038/s41440-023-01219-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Roles of the mechanosensitive ion channel Piezo1 in the renal podocyte injury of experimental hypertensive nephropathy2023

    • 著者名/発表者名
      Ogino Satoyuki、Yoshikawa Kei、Nagase Takashi、Mikami Kaori、Nagase Miki
    • 雑誌名

      Hypertension Research

      巻: 47 号: 3 ページ: 747-759

    • DOI

      10.1038/s41440-023-01536-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 腎臓におけるPiezo2の発現と高血圧性腎硬化症モデル・脱水モデルにおける変化2024

    • 著者名/発表者名
      長瀬美樹
    • 学会等名
      第53回日本心脈管作動物質学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] メカノセンサーの研究の魅力-杏林大救急医学におけるPhysician-Scientist育成-2024

    • 著者名/発表者名
      持田勇希,長瀬美樹,海田賢彦,山口芳裕
    • 学会等名
      第51回日本集中治療医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腎臓のメカノバイオロジー : 糸球体でのPiezo2の発現とそのメカニカルな調節2024

    • 著者名/発表者名
      長瀬美樹
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 腎糸球体上皮細胞の足突起形成におけるMyo10の機能解析2024

    • 著者名/発表者名
      上野仁之,長瀨美樹
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高血圧基礎研究の最先端と未来:食塩感受性研究の現状と展望2023

    • 著者名/発表者名
      長瀬美樹
    • 学会等名
      第45回日本高血圧学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 高血圧性腎障害マウスの腎糸球体ポドサイト障害におけるメカノ感受性イオンチャネルPiezo1の役割2023

    • 著者名/発表者名
      荻野聡之,吉川慧,長瀬敬,三上香織,長瀬美樹
    • 学会等名
      第45回日本高血圧学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 糖尿病性腎症におけるメカノセンサー分子Piezo2の発現と線維化2023

    • 著者名/発表者名
      大庭梨菜,神崎剛,横尾隆,長瀬美樹
    • 学会等名
      第45回日本高血圧学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考]

    • URL

      https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/graduate/medicine/education/departments/macro-anat/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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