研究課題/領域番号 |
23K07716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 由香 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60846864)
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研究分担者 |
古橋 和拡 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50835121)
堀口 道子 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 講師 (70632470)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リンパ節 / 虚血性腎障害 / AKI to CKD transition / 制御性B細胞 / 腎臓 / AKI / B細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
AKI to CKD transitionの機序として「AKIによる尿細管細胞の大量ネクローシスの結果、障害腎の一部が抗原と認識され、リンパ節で“炎症がメモリー化”されることで、腎臓での炎症が慢性的に持続しCKDに進展する」という仮説を立て、以下の研究計画を遂行する。①KLN内で、どの免疫細胞が、どんな免疫反応を介して、腎障害を遷延させるかを解明し、②リンパ節HEVにのみ特異的に結合する抗体で標識したナノパーティクル(NP)を作成し、リンパ節特異的なDrug Delivery System(DDS)を確立する。そして、③リンパ節での免疫応答抑制を介したCKD進展抑制の新規治療戦略を構築する 。
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研究実績の概要 |
リンパ節のリンパ球へのホーミングが低下するGlcNAc6ST酵素の欠損マウスを用いて、IRI後の腎障害を比較した。GlcNAc6ST-1、2両欠損マウス(DKO)ではIRI 1 週後でWTと差を認めなかったが、IRI 2 週後では DKO でのみ有意に改善した。IRI 6 週後で 腎間質線維化が抑制され,IRI 1 年後で腎萎縮が抑制された。KLN の FACS 解析では IRI 14 日後 DKO で成熟 B 細胞総数は抑制され,制御性 B 細胞の割合は増加した。B細胞が腎障害慢性化に寄与しているか確認するため、CD20抗体投与でB細胞を除去したが、IRI2週および6週腎障害は改善しなかった。制御性B細胞の腎障害抑制効果を確認するために、IRIを行ったWTとDKOのKLNからB細胞をFACSおよび磁気ビーズでSortingし、DKOのIRIを行ったマウスに投与したところ、WTに比べ制御性B細胞が多いDKOのKLNから選別したB細胞の方が、IRI2周の腎機能の悪化が抑制できた。さらに、腎臓でのB細胞の役割を明らかにするために、腎臓のFACSを行ったところ、 DKO で制御性 T 細胞と制御性 B 細胞の増加が認めた。CD25抗体を投与し、制御性T細胞を除去しても、IRI後の腎障害は悪化せず、腎臓の制御性B細胞が直接腎障害抑制に関与していることが示唆された。 所属リンパ節をターゲットとするDrug delivery system(DDS)の開発については、蛍光物質を包含したナノパーティクル(NP)を作成し、非特異的な各臓器への分布をIVISで測定した。肝臓と腎臓、特に腎臓は障害腎にNPがより集積することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
制御性B細胞(Breg)の増加を確認したのみでなく、増加したBregが腎障害を抑制する機能を示した。リンパ節ターゲットのNPの治療開発も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
IRI後のKLN由来と脾臓由来のB細胞を投与し、腎障害の情報を受け取って活性化したKLN由来の制御性B細胞が腎障害制御の役割を持っていることの証明を完成させる。 リンパ節内での免疫応答について、B細胞、T細胞それぞれの分化、さらに相互コミュニケーションを明らかにするために、リンパ節のSingle cell解析を行う。 DDSは、作成したNPの表面に、リンパ節内の血管にのみ特異的に発現するPNAdに対する抗体をつけ、リンパ節特異的なDeliberyが行われるか確認する。免疫抑制剤を内包化させ、IRI後のマウスに投与し、リンパ節の免疫反応を抑制することで、虚血性AKI後の腎障害の慢性化を抑制できるか、治療実験を行う。
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