研究課題/領域番号 |
23K07724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
徳山 博文 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50276250)
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研究分担者 |
神田 武志 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (80317114)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | オートファジー / mTOR / Rho / Rhoキナーゼ / p62 / ライソゾーム / スタチン / 肥満関連腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満関連腎症の病態生理におけるオートファジー制御機構を明らかにし、近位尿細管におけるPHD2/HIF経路への治療介入によるオートファジー制御異常を正すことによって、肥満関連腎症・糖尿病性腎症に対する早期治療介入の確立を目指す。さらに、肥満関連腎症超早期から後期へ至る全経過の腎臓組織学的変化、尿細管障害マーカー、糸球体障害マーカーの動態変化とその連関を明らかにすることによって、微量アルブミン尿に変わる早期診断指標、および腎症の進行度合いを測る新たなモニタリングシステムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
肥満に伴う腎障害は、肥満関連腎症 (Obesity-related glomerulopathy、以下ORG) として提唱されており、世界保健機関分類では、「全身性障害を伴わない著しい肥満においてネフローゼ症候群と同等の蛋白尿を引き起こす病態」と定義されている。ORGが発症する原因として、これまで、肥満における心拍出量や循環血液量の増加が糸球体におけるhyperfiltrationを引き起こすことが報告されてきた.さらに、肥満に伴う高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性の状態が増悪因子となる。これまで、糖尿病患者に対し、微量アルブミン尿を早期診断指標とし、血糖コントロール、血圧コントロールの強化が行われてきたが、しかし、すでに腎臓病理学的にはnodular lesionの形成まで進行してしまっている症例も多く、もはや、微量アルブミン尿を認めた時が早期の糖尿病性腎症ではない。それどころか、まだ糖尿病にまで至っていない肥満の段階で、すでに腎臓組織障害が始まっていることが徐々に明らかになり、ORGの重要性が認識されるようになった。本研究では、高脂肪食肥満マウスにおいて、近位尿細管細胞肥大・空胞化、および電子顕微鏡所見にてリン脂質を貯蔵した多量のライソゾームの集積が観察された。組織p62の増加と共にRhoキナーゼ, mTORの誘導がみられ、ORGの早期からRho/Rhoキナーゼ/mTOR経路を介したオートファジー障害が観察された。これまでORGの病態生理として、糸球体高血圧、Lipotoxicity、MR/Rho/Rhoキナーゼ経路の誘導、PHD/HIF/VEGF経路の制御異常による組織虚血などを明らかにしてきたが、加えてオートファジー制御異常がORGの重要な病態生理の一つと考えられた。今後はさらにORGの病態生理の解明を進め、早期治療介入について研究する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ORGの病態生理としてオートファジー制御異常が早期から生じていることを明らかにし、研究はおおむね順調に進展している。一部結果を論文投稿しており、その結果からさらに追加の研究・実験を行っていく方針である。但し、論文の結果や指針が中々示されない場合、研究計画がやや遅れる可能性はある。
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今後の研究の推進方策 |
肥満関連腎症ではアルブミン尿が生じているが、より早期から尿細管障害マーカーの上昇が観察される。これまでの検討では、肥満関連腎症早期ではそれほど糸球体足細胞足突起に形態学的変化がみられない。尿細管、特に近位尿細管細胞肥大、空胞化が観察されるが、蛋白吸収に関与するメガリンの動態について検討する。また、オートファジー制御異常の要因として、Rho/Rhoキナーゼ/mTOR経路の誘導が明らかになった。肥満における脂質代謝の過程でRho/Rhoキナーゼが誘導されることが明らかだが、スタチン製剤がHMGCoA reductaseとして作用し、Rho/Rhoキナーゼ経路を抑制する。肥満関連腎症において、このスタチン製剤による治療介入が早期から生じているオートファジー制御異常を正し、腎保護として役割を果たすことができるか検討する。
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