研究課題/領域番号 |
23K07731
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40412176)
|
研究分担者 |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
城所 研吾 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50435020)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | カルシウム / 糸球体上皮細胞 / 老化 / 慢性腎臓病 / 加齢 / TRPC |
研究開始時の研究の概要 |
加齢による臓器障害の進行には炎症が共通経路であり、総称としInflammaging と呼称する。InflammasomeはこのInflammagingの中心的役割を担っている。 内皮機能障害がInflammasome活性化を促進させ、腎障害を増悪させることを報告してきた。またInflammasome活性化には細胞内Ca2+上昇が必須である。本研究では細胞内Ca2+濃度調節機構としてtransient receptor potential canonical(TRPC)に着目した。本研究で「糸球体上皮細胞におけるTRPC5依存的Ca2+流入は老化関連炎症に関与しているか?」との命題を解明したい。
|
研究実績の概要 |
腎硬化症(14.2%)が急激に増加 (20年間に2倍以上)している。腎硬化症には加齢および高血圧などによる動脈硬化が関与しており、循環器疾患の表現型と見なし得ることができる。この内皮機能障害を基盤とした加齢関連腎硬化症の本態は不明であり病態解明と治療開発が逼迫した課題となっている。本研究で「糸球体上皮細胞におけるTRPC5依存的Ca2+流入は老化関連炎症に関与しているか?」との命題を解明したい。 特に加齢による臓器障害の進行には炎症が共通経路であることが知られており、総称としInflammaging と呼称する。InflammasomeはこのInflammagingの中心的役割を担っているとの知見が積み重なってきている。我々も加齢腎の進展にInflammasome活性化が重要な役割を担うことを見出した。自然免疫システムの一つであるInflammsomeは腎障害進展に関与することが種々の動物モデルで解明されている。細胞内蛋白複合体により活性化するシステムであるInflammsome活性化によりprocaspase-1 がcaspase-1 に活性化され、前駆体からIL-1βやIL-18 に転換し炎症拡大を引き起こす。 研究としては糸球体上皮細胞特異的蛋白質であるPodocinのプロモーター下流にCre recombinaseを発現させたPodocin-Creマウスと、Ca2+感受性蛍光タンパクであるGCaMPのfloxマウス(GCaMP5)を交配させ、Pod/GCaMP5マウスを作成済みである。本マウスをAngiotensin II投与により糸球体上皮細胞におけるCa+流入が起こることがわかってきた。またin vitroの実験を行なっている。糸球体上皮細胞を単離してprimary podocyteを用いて検討を行なった。LPS刺激によりNfKb依存的遺伝子変化をqPCRで評価している。その結果IL6などの遺伝子発現が上昇するが、TRPC5阻害薬ではその上昇が顕著に抑制される。またこの現象はTRPC6阻害薬では起こらないことからTRPC5特異的な経路であることがわかる。 現在さらにin vivoでその現象が再現されるかを検討続けている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糸球体上皮細胞特異的蛋白質であるPodocinのプロモーター下流にCre recombinaseを発現させたPodocin-Creマウスと、Ca2+感受性蛍光タンパクであるGCaMPのfloxマウス(GCaMP5)を交配させ、Pod/GCaMP5マウスを作成済みである。本マウスをAngiotensin II投与により糸球体上皮細胞におけるCa+流入が起こることがわかってきた。またin vitroの実験を行なっている。糸球体上皮細胞を単離してprimary podocyteを用いて検討を行なった。LPS刺激によりNfKb依存的遺伝子変化をqPCRで評価している。その結果IL6などの遺伝子発現が上昇するが、TRPC5阻害薬ではその上昇が顕著に抑制される。またこの現象はTRPC6阻害薬では起こらないことからTRPC5特異的な経路であることがわかる。 現在さらにin vivoでその現象が再現されるかを検討続けている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、TRPC5の発現制御機構に着目し検討を行なっている。ある核内受容体を抑制するとTRPC5の発現が低下することがわかってきた。現在さらに詳細を検討するべくRNA-seqを行い解析中である。
|