研究課題/領域番号 |
23K07737
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
Raja Erna 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (30770581)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | skin inflammation / fibulin 7 / psoriasis / keratinocytes / basement membrane / ECM / epidermal stem cells / skin / inflammation |
研究開始時の研究の概要 |
To elucidate the function of Fbln7 in mouse psoriasis model and its mechanism by phosphoproteomics, identification of its receptor, upstream regulators during inflammation and if fibulin 7 binding to the basement membrane reduces T-cell activation in the epidermis.
|
研究実績の概要 |
ヒト乾癬症例において、加齢に伴う表皮幹細胞における炎症性遺伝子の発現増加とFBLN7の発現低下が関連していたことから、我々は、フィブリン7の欠損が、マウス乾癬発症モデルであるイミキモド(IMQ)誘発炎症に対する皮膚反応を悪化させることを見出した。スクリーニングにより、Fbln7ノックアウト皮膚における炎症性サイトカインの増加、IMQによる表皮増殖の亢進傾向、および炎症性シグナル伝達のメディエーターとして知られるJNKのリン酸化を見出した。今後の研究では、フィブリン7が、乾癬に関与する炎症性サイトカインと結合し、細胞表面レセプターへのアクセスを阻害することで、ケラチノサイトの炎症反応を抑制するという、フィブリン7の潜在的メカニズムに関する仮説を解明する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は、Fbln7ノックアウトマウスモデルにおいて、フィブリン7がイミキモド(IMQ)誘発皮膚炎症を負に制御していること、そしてケラチノサイトにおけるフィブリン7の過剰発現が乾癬誘発サイトカイン炎症刺激の影響を抑制している可能性を見出した。フィブリン7がない場合、IMQ誘発マウス皮膚炎症においてサイトカインが増加するように見えたが、皮膚への免疫細胞のリクルートが影響を受けるかどうかはまだ不明である。私は、フィブリン7と候補に挙げたサイトカインとの結合を調べ、フィブリン7との結合によってサイトカインのシグナル伝達が阻害されるかどうかを調べる予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在の知見に基づき、私は、表皮基底膜に存在するフィブリン7が、イミキモド(IMQ)塗布により活性化された免疫細胞から放出される炎症性サイトカインと結合し、炎症に対するケラチノサイトの反応を抑制しているのではないかという仮説を立てた。乾癬は免疫細胞の活性化が主な原因であるが、現在ではケラチノサイトもこの病態に重要な役割を果たしていることが知られている。われわれは、フィブリン7のどのタンパク質ドメインがフィブリン7の作用に関与しているのか、また、免疫細胞のリクルートメントが影響を受けているのかをさらに調査する。また、フィブリン7がサイトカインと結合することで、炎症性レセプターのシグナル伝達が抑制されるかどうかも検証する。また、マウス背部皮膚におけるIMQ誘発炎症に伴う、サイクルの速い表皮幹細胞の変化を系統追跡によって調べることも興味深い。
|