研究課題/領域番号 |
23K07738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩太郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (90554634)
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研究分担者 |
須藤 明 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50447306)
岩本 太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80835083)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 乾癬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究者は本申請研究の予備実験において、チロシンキナーゼであるProtein Tyrosine Kinase 6(Ptk6)がIL-17A-NFkB1シグナルによりケラチノサイト内で強く発現誘導されることを見出し、さらにPtk6の選択的阻害剤が乾癬モデルマウスの皮膚の炎症を減弱化するという結果を得ている。そこで本申請研究では、ケラチノサイト内に発現するPtk6の機能とimiquimod誘導性乾癬における役割を解析するとともに、乾癬患者におけるPtk6の発現と乾癬の臨床指標との相関を解析し、Ptk6を標的とした新規乾癬治療法開発のための基盤を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
乾癬は、本邦で約40万人の患者が罹患する慢性の炎症性角化症であり、代表的なTh17細胞性疾患と考えられている。TNF-alpha;、IL-12/23p40、IL-17Aなどを標的とした生物学的製剤の臨床応用により治療成績は格段に向上したが、一部の患者は治療抵抗性であり、治療中断後の再燃率も高く、更なる治療戦略の確立が求められている。IL-17A阻害薬の乾癬に対する高い有効性より、IL-17Aが乾癬の発症・増悪に中心的な役割を果たしていることは明らかであるが、IL-17Aが如何にして乾癬の病態に寄与しているかについては依然多くの不明点が残されている。乾癬に対するIL-17A阻害薬の高い有効性より、IL-17Aが乾癬の発症・増悪に中心的な役割を果たしていることは明らかである。乾癬モデルマウスの解析や乾癬患者皮膚の解析によりケラチノサイト内のIL-17Aシグナルが乾癬の病態形成に重要な役割を果たしていることが示唆されているが、その分子メカニズムについては依然不明な点が多く残されている。本研究者は本申請研究の予備実験において、チロシンキナーゼであるProtein Tyrosine Kinase 6(Ptk6)がIL-17A-NFkB1シグナルによりケラチノサイト内で強く発現誘導されることを見出し、さらにPtk6の選択的阻害剤が乾癬モデルマウスの皮膚の炎症を減弱化するという結果を得ている(未発表データ)。本年度はまず、IL-17Aシグナルが確かにNFkB1依存的にPtk6を誘導するかについて検討し、以下の結果を得た。1) NFkB欠損マウスより単離したマウスケラチノサイトでは野生型マウス由来のケラチノサイトでみられるIL-17A刺激誘導性のPtk6の発現がmRNAレベルでも。タンパクレベルでも確認することができた。さらにこの現象はin vivo乾癬モデルマウスでも確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IL-17Aシグナルが確かにNFkB1依存的にPtk6を誘導するかについて検討したが、以下の結果を得た。1) NFkB欠損マウスより単離したマウスケラチノサイトでは野生型マウス由来のケラチノサイトでみられるIL-17A刺激誘導性のPtk6の発現がmRNAレベルでも。タンパクレベルでも確認することができた。さらにこの現象はin vivo乾癬モデルマウスでも確認できた。この現象は他施設よりの報告はなく、今後はこの現象の意義について解析する予定である。今後は、定法によりPtk6-floxedマウスを作製後、KRT14-Cre/ERTマウス(タモキシフェン誘導性にケラチノサイト特異的にCre recombinaseを発現)と交配し、タモキシフェン投与によりケラチノサイト特異的にPtk6が欠損するマウス(KRT14-Cre/ERT/Ptk6-floxedマウス)を作製する。このマウスおよびコントロールマウス(Ptk6-floxedマウス)にタモキシフェン投与下でimiquimodを塗布し乾癬様皮膚炎を誘導する。ケラチノサイト特異的Ptk6欠損マウスとコントロールマウスにおいて、i)PASI(psoriasis area and severity index)スコア、ii)病理学的解析による表皮の増殖、炎症の評価、iii)炎症部皮膚組織のRNA-sequencing法による網羅的遺伝子発現解析、を行い比較検する。これらの解析により乾癬の病態形成におけるケラチノサイトに発現するPtk6の役割が明らかになる。現在のところ上記マウス作成よりも簡単に作成できるPtk6欠損マウスを作成することに成功した。こちらのマウスを用いて先行研究を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ヒト乾癬患者におけるPtk6の発現と乾癬の臨床指標との相関を解析し、Ptk6を標的とした新規乾癬治療法開発のための基盤を確立することを目指す。また、定法によりPtk6-floxedマウスを作製後、KRT14-Cre/ERTマウス(タモキシフェン誘導性にケラチノサイト特異的にCre recombinaseを発現)と交配し、タモキシフェン投与によりケラチノサイト特異的にPtk6が欠損するマウス(KRT14-Cre/ERT/Ptk6-floxedマウス)を作製する。このマウスおよびコントロールマウス(Ptk6-floxedマウス)にタモキシフェン投与下でimiquimodを塗布し乾癬様皮膚炎を誘導する。ケラチノサイト特異的Ptk6欠損マウスとコントロールマウスにおいて、i)PASI(psoriasis area and severity index)スコア、ii)病理学的解析による表皮の増殖、炎症の評価、iii)炎症部皮膚組織のRNA-sequencing法による網羅的遺伝子発現解析、を行い比較検する。これらの解析により乾癬の病態形成におけるケラチノサイトに発現するPtk6の役割が明らかになる。最後、作製したケラチノサイト特異的Ptk6欠損マウスとコントロールマウスよりケラチノサイトを単離し、IL-17Aで刺激前後蛋白を抽出する。酸化チタンカラムでリン酸化蛋白を濃縮後、トリプシン処理により得られた断片化ペプチドを液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析に供して網羅的リン酸化プロテオーム解析を行い、Ptk6によりリン酸化される蛋白を同定する。
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