研究課題/領域番号 |
23K07751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
種瀬 啓士 東邦大学, 医学部, 准教授 (70464815)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / MIF-CD74シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腫瘍細胞が治療に対する耐性を獲得する生存戦略においてMIF-CD74シグナルが果たす役割を解き明かすことを目的としている。同シグナルの下流より発現している遺伝子を解析することで、複数の腫瘍細胞の生存に関わる遺伝子が同定されることが予想され、それらの遺伝子の機能を評価することにより、将来的に本シグナルが治療標的となる可能性を探索する。
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研究実績の概要 |
近年悪性黒色腫に対して種々の治療薬が承認されているが、半数以上の症例ではそれらの有効性は一時的かつ限定的であり、腫瘍細胞は治療に対する耐性を獲得する。したがって、それらの治療法に対して腫瘍細胞が示す生存戦略を理解する必要がある。研究代表者は、Macrophage migration inhibitory factor(MIF)とその受容体であるCD74の相互作用(MIF-CD74シグナル)の活性化が悪性黒色腫細胞において重要な生存応答機能を果たしていると考えている。本研究では、MIF-CD74シグナルが腫瘍細胞の生存に及ぼす影響、MIF-CD74シグナルの下流から発現する遺伝子、抗悪性腫瘍治療に対する耐性獲得におけるMIF-CD74シグナルの作用を解析することによって、癌細胞の生存戦略におけるMIF-CD74シグナルの位置づけを確立し、将来的に本シグナルを治療標的とすることを目的としている。研究計画の初年度は、悪性黒色腫に対して臨床的に用いられるダカルバジンおよびシスプラチンの両殺細胞性抗癌剤について、複数の悪性黒色腫細胞株における感受性を検討し、ダカルバジンに対する感受性の高い細胞株、シスプラチンに対して感受性の高い細胞株、両者に対して抵抗性を示す細胞株を同定した。その上で、MIF-CD74阻害薬をダカルバジンあるいはシスプラチンと併用することで、悪性黒色腫細胞株の殺細胞性抗癌剤に対する感受性が高まるかをどうかを検討中である。Preliminaryなデータではあるものの、シスプラチンに耐性のある一部の細胞株にMIF-CD74シグナルの阻害薬を併用することで、シスプラチンに対する感受性が向上する結果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年2月1日付で所属機関を変更したため、試薬や実験機器の移動、移設、新規購入に多くの時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
環境整備も進んだため、従来の計画通りに研究を進める方針である。培養する細胞株の数を増やし、それぞれの細胞株にダカルバジン、シスプラチン、そしてMIF阻害薬を単剤もしくは併用下で作用させた上でRNAを抽出し、RNAシーケンス解析を行うことで、MIF-CD74シグナルによって普遍的に制御されている悪性黒色腫細胞が殺細胞性抗癌剤に対して耐性を獲得する際に中心的な役割を果たしている遺伝子を探索する。その後、探索した候補因子について、定量PCRおよびウェスタンブロットを用いて、その発現とMIF-CD74シグナルとの相関性をより詳細に検討する。
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