研究課題/領域番号 |
23K07754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
古賀 浩嗣 久留米大学, 医学部, 准教授 (40461412)
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研究分担者 |
TEYE KWESI 久留米大学, 付置研究所, 助教 (30599303)
堤 真宏 久留米大学, 医学部, 助教 (40939188)
石井 文人 久留米大学, 医学部, 准教授 (80330827)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 天疱瘡 / デスモグレイン / デスモゾーム / 2型炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
天疱瘡は表皮および粘膜の細胞膜表面に対する自己抗体が産生され、水疱を生じる疾患である。その代表的な抗体がデスモグレイン(Dsg)抗体であり、Dsg3抗体結合後にシグナル伝達経路(MAPK)を介したDsgの発現量低下が生じて水疱形成に至る。MAPK阻害剤は有望な治療法と期待されたが患者への治療法として実現しておらず、他の治療戦略が求められる。 本研究ではDsgの減少が、ある種の免疫環境(type2炎症)を誘導し、さらなるDsgの減少を促進しているという仮説を基に、Dsgが減少する現象が及ぼす細胞性免疫への影響、それによるDsgのさらなる減少について解明し、新たな治療戦略を見出すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
ヒトケラチノサイト細胞株であるKer-CTにCRISPR-Cas9システムを用いてデスモグレイン3(Dsg3)欠損細胞を作製した。その細胞と通常のKerCTの遺伝子発現についてRNAシーケンスで網羅的に解析した結果、Dsg3欠損Ker-CTでペリオスチンをコードするPOSTN遺伝子の発現増加を認めた。ペリオスチンは主に線維芽細胞から産生される蛋白でTh2関連サイトカインであるIL-4、IL-13の刺激で産生され、それが表皮ケラチノサイトに結合する事でTSLPが産生されTh2型炎症に寄与することから、天疱瘡における2型炎症に関与している可能性が考えらえた。しかし、Dsg3欠損Ker-CTを用いてペリオスチン抗体でウエスタンブロッティングを行ったが、蛋白発現量が低いためか検出することができなかった。次に、RNAシーケンスでDsg3欠損Ker-CTにおいてフィラグリンをコードするFLG遺伝子の発現が低下していることに着目した。フィラグリンはIL-4、IL-13により発現が低下することが知られている。Dsg3欠損Ker-CTでフィラグリン抗体を用いてウエスタンブロッティングを行ったが通常のKer-CTとの蛋白量の発現の差が明確でなかったため、天疱瘡患者病変部皮膚と健常人皮膚を用いて免疫組織化学染色でフィラグリンの発現を比較した。一部の天疱瘡患者皮膚では発現が低下していると考えられたため、他の方法でもDsg3発現低下によりフィラグリン発現が低下している事を示す必要があると考えて追加実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初候補遺伝子として考えられたPOSTN遺伝子にコードされるペリオスチンの発現亢進がDsg3欠損Ker-CTで確認できず、他の候補遺伝子で実験を進める必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
ケラチノサイトにDsg3抗体を添加するとDsg3発現が減少することが知られており、Ker-CTをDsg3モノクローナル抗体であるAK23の存在下/非存在下で培養したサンプルを用いてRNAシーケンスで発現解析を行う予定である。
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