研究課題/領域番号 |
23K07763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
生野 泰彬 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (40972758)
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研究分担者 |
金田 勇人 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40528212)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 老化 / 皮膚老化 / 慢性炎症 / 皮膚 |
研究開始時の研究の概要 |
老化と慢性炎症の関連性が明らかにされつつあり、皮膚においても炎症老化が注目されているが、その分子メカニズムは不明な点が多い。慢性炎症の誘導だけでは早老化の誘導には不十分であり、老化耐性機構の堅牢さが明らかとなった。老化により変化する抗炎症機構に焦点を絞り調べたところ、抗炎症ホルモンである、糖質コルチコイド(GC)の活性・代謝を制御する分子群に変化が生じている事を発見した。GCの過剰では多様な老化様症状を全身に呈するため、老化耐性機構の有望な候補と考えられる。本研究では老化耐性機構としての観点からGCの機能を明らかにし、皮膚老化の分子メカニズムの解明とその制御による機能回復を目指す。
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研究実績の概要 |
新規の老化耐性制御遺伝子を同定するためには、簡便なin vivoでの遺伝子スクリーニング系が必要となる。そこで、肝臓特異的プロモーターを組み込んだアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを作成し、肝臓特異的な遺伝子の機能阻害ができるかどうか検討を行った。レポーター遺伝子を用いた評価では、肝臓特異的なAAVベクターの導入に成功した。すでに、Crispr-Cas9システムを用いた、複数の老化耐性制御遺伝子のノックアウトAAVベクターの作成が完了している。 また、新規の老化耐性制御遺伝子のレスキューにより老化現象を遅らせることができるかを評価するためには、簡便なin vivoでの遺伝子導入系が必要である。すでに、上記の肝臓特異的プロモーターを組み込んだ、老化耐性制御遺伝子の発現AAVベクターの作成が完了している。 さらに、既存の早老症モデルマウスは生理的な老化を模倣できていないと考え、簡便に生理的な老化を模倣できる老化モデルマウスの作成を試みた。複数の薬剤を投与することで、実際の生理的老化で生じていることをある程度模倣した、老化表現型を有するマウスの作成に成功した。このマウスを解析すると、皮膚だけでなく、多臓器に老化表現型を確認できた。また、この老化模倣マウスを脱毛させた後の、再発毛するまでの期間や、発毛した毛を評価することで、マウスを殺さずに皮膚老化表現型を確認できる再発毛評価モデルの確立に成功した。 研究代表者が所属する滋賀医大皮膚科学講座と協力した、ヒト試料を用いた解析についても準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、肝臓特異的な遺伝子の機能阻害・導入の系の確立が進んでいる。また、薬剤経口摂取による老化モデルマウスの作成に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoでの遺伝子スクリーニング系および薬剤経口摂取による老化モデルマウスを用いた解析を進めて、肝臓における皮膚老化耐性機構に重要な遺伝子の探索・同定・機能解析を進める。同時に、ヒト試料を用いた解析についても準備を進めていく。
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