研究課題/領域番号 |
23K07779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 民夫 山形大学, 医学部, 教授 (30206502)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 化学白斑 / マウスモデル / CDH13 / xCT / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
A. 化学白斑の発症機序を多面的に解析する。①RD白斑感受性遺伝子であるCDH13の皮膚における機能解析: Cdh13のノックアウトマウスを作成しCdh13が関わる情報伝達経路を特定する。また、化学白斑発症時におけるxCTの機能解析を行う。②ケラチノサイトとメラノサイトの細胞間クロストークの解析:接着分子の協調的発現を指標にして解析する。③白斑色素回復期の解析:メラニン合成に関わる分子の発現を詳細に比較検討する。④フェロトーシスについて:特異的な抑制剤などで細胞死が抑えられることを確認する。 B. 病態に立脚した新規有効性の高い治療法の確立:RD白斑マウスモデルを使用して確立する。
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研究実績の概要 |
我々がこれまでにロドデンドロール(RD)白斑患者と白斑未発症のRD消費者(コントロール)DNAを用いてGWASを行い、カドヘリン13(CDH13)をRD白斑感受性遺伝子として明らかにした。CDH13は皮膚では基底細胞の基底側に局在している5)が、正常皮膚ならびに白斑発症に関わる役割は全く不明である。 そこで、Cdh13ノックアウトマウス(Cdh13KO)を作成してCDH13の皮膚における機能解析を行った。一般に、マウスの体幹の皮膚にはメラノサイトが存在しないため、色素異常症の研究には不向きである。そこで、我々は以前に表皮基底層にメラノサイトが存在するヒト皮膚型マウス(hk14-SCF/HRM)を開発した。今回、まずは、このマウスにCdh13ノックアウトマウスと掛け合わせたマウス(Cdh13-/hk14-SCF/HRM、以下Cdh13KO)を作成することとし、その結果、Cdh13KOマウスを作成することができた。次にこのCdh13KOマウスを用いて、RDに対する白斑発症に対する感受性を調べた。Cdh13KOマウスに背部にRD30%溶液を週に5日間、4週間、外用した。その結果、予想に反して、白斑発症したマウスの数、および発症した白斑の程度は、コントロールマウスでは同程度であり、RDに対する感受性に有意差が認められなかった。また、同様の実験を行ったxCTKOマウスの場合もRDに対する感受性に有意差が認められなかった。。感受性亢進が認められなかった理由について、現在、精査中である。 RDによる細胞死がフェロトーシスではないかという仮説に対して、フェロトーシスの特異的な抑制剤(フェロスタチン-1)をメラノサイトに添加する実験においては、細胞死が抑えられず、フェロトーシスの関与は否定的と結論できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Cdh13やxCTの各ノックアウトマウスとヒト皮膚型マウスを掛け合わせたモデルマウスの確立については予定通り進んでいるが、その後のモデルマウスを用いてRD感受性を調べた実験では、予想に反して感受性の亢進が確認できなかった。現在、実験条件を変えて、原因について精査中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、各種モデルマウスの繁殖を進めながら、RDに対して白斑感受性が亢進する実験条件の検討を続ける。この段階をクリアできれば、その後に予定研究は順調に進むことが期待できる。 RDによるメラノサイトの細胞死の解析については、フェロトーシスの関与は否定的であることが明らかとなり、別の機序による細胞死を検討してする。
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