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筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群の創傷治癒過程におけるデルマタン硫酸の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23K07780
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53050:皮膚科学関連
研究機関信州大学

研究代表者

吉沢 隆浩  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (40713392)

研究分担者 岳 鳳鳴  信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (20532865)
水本 秀二  名城大学, 薬学部, 准教授 (40443973)
古庄 知己  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90276311)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS) / 疾患モデル動物 / 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群 / Chst14遺伝子欠損マウス / 創傷治癒
研究開始時の研究の概要

筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)は、皮膚の易断裂性や創傷治癒の遅延等を呈する。本疾患では、CHST14遺伝子の変異を起点として、硫酸基転移酵素D4ST1の活性消失と全身のデルマタン硫酸(DS)の消失が認められる。
本研究では、DS消失が創傷治癒に与える影響を明らかにするために、Chst14遺伝子欠損マウスの皮膚創傷治癒モデルと初代培養線維芽細胞を用いて、皮膚の創傷治癒過程で変動する因子の経時的解析や、DSと相互作用する細胞増殖因子の特定、細胞増殖への影響を検討する。これにより、mcEDSの病態メカニズム解明と、治療標的分子の探索を行い、将来的な治療薬開発のための一助とする。

研究実績の概要

筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)は、CHST14遺伝子(mcEDS-CHST14)もしくはDSE遺伝子(mcEDS-DSE)の病的変異によって、それらにコードされるデルマタン 4-O-硫酸基転移酵素1 (D4ST1)やデルマタン硫酸エピメラーゼ(DSE)の活性が失われることで引き起こされる。D4ST1とDSEはいずれもデルマタン硫酸(DS)合成に必要な酵素であり、mcEDS患者では、どちらかの活性消失によって全身性にDSが消失または減少する。デルマタン硫酸は、コラーゲン細線維の集合に関わることが知られている。コラーゲンは組織強度の維持に重要な細胞外マトリックスの構成成分であり、mcEDS患者では結合組織脆弱性や進行性の脊椎変形、関節拘縮等の症状を呈する。mcEDSで特に重篤な症状として、反復性巨大皮下血腫などの皮膚症状や脊椎変形等が知られており、病態メカニズム解明と治療法開発が求められている。
mcEDS患者の95%がCHST14遺伝子の変異を有することや、mcEDS-CHST14とmcEDS-DSEどちらもDSの欠乏という共通の要因が病態の原因と考えられていることから、本研究では疾患モデル動物として、Chst14遺伝子欠損マウス(Chst14 KO)を用いた解析を行っている。申請者らはこれまでに、Chst14 KOの皮膚においても患者と同様のDS消失や、コラーゲン細線維の集合不全、組織強度低下、創傷治癒の遅延といった表現型を呈することを明らかにしてきた。2023年度は、DS欠乏による創傷治癒遅延の原因として、創傷時の皮膚組織で野生型マウスと異なる変動を示す要因を探索するために、Chst14 KOで創傷治癒モデルを作成し、経時的な組織サンプルの採取を進めた。また、初代培養皮膚線維芽細胞の培養および、細胞増殖に関する実験条件の構築を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初代培養皮膚線維芽細胞を用いた解析の条件検討に、当初の想定よりも時間を要している。

今後の研究の推進方策

2024年度には、前年度に採取した皮膚組織サンプルを用いて、開放創作成前、作成1、3、6日後の皮膚組織での遺伝子発現を解析する。炎症性サイトカインや炎症細胞、細胞増殖マーカーや線維芽細胞増殖因子および上皮成長因子とそれらの受容体の遺伝子発現の変動を検討する。初代培養皮膚線維芽細胞を用いた解析についても引き続き検討を進め、野生型とChst14 KO由来の細胞での、スクラッチアッセイやMTTアッセイによる細胞増殖能の違いや、DS添加による細胞増殖や細胞内シグナルの変化を解析する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 筋拘縮型エーラスダンロス症候群の疾患モデル動物の開発と解析 (奨励賞受賞講演)2023

    • 著者名/発表者名
      吉沢隆浩
    • 学会等名
      第70回日本実験動物学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群モデルマウスにおける大腸の解析2023

    • 著者名/発表者名
      小野史子、吉沢隆浩、高橋有希、水本秀二、古庄知己
    • 学会等名
      第70回日本実験動物学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)の疾患モデルマウスを用いた包括的骨病態解析2023

    • 著者名/発表者名
      高橋有希、吉沢隆浩、水本秀二、小野史子、嶋田新、上原将志、渡邉敬文、山田修平、高橋淳、古庄知己
    • 学会等名
      第70回日本実験動物学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Chst14 KOマウスの出生率に対する環境エンリッチメントの効果2023

    • 著者名/発表者名
      嶋田新、吉沢隆浩、岩渕忍、江崎真司、山中仁木、古庄知己
    • 学会等名
      第70回日本実験動物学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Pathophysiological investigation on skeletal manifestations of Musculocontractural Ehlers Danlos Syndrome2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Takahashi, Takahiro Yoshizawa, Fumiko Ono, Shuji Mizumoto, Shuhei Yamada, Tomoki Kosho
    • 学会等名
      Human Genetics Asia 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 筋拘縮型EDSのモデルマウスによる破骨細胞分化誘導解析:骨病変の全容解明を目指して(JEFA賞授賞演題)2023

    • 著者名/発表者名
      高橋有希、吉沢隆浩、小野史子、岳鳳鳴、古庄知己
    • 学会等名
      第4回 日本エーラス・ダンロス症候群(EDS)研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群の原因遺伝子CHST14の欠損により、Collagen XV上のデルマタン硫酸が消失する2023

    • 著者名/発表者名
      橋本康平、吉沢隆浩、古庄知己、野村義宏、宮田真路
    • 学会等名
      第4回 日本エーラス・ダンロス症候群(EDS)研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群における脊柱変形の臨床像とモデルマウス脊椎の組織学的検討2023

    • 著者名/発表者名
      上原将志、髙橋淳、高橋有希、吉沢隆浩、古庄知己
    • 学会等名
      第4回 日本エーラス・ダンロス症候群(EDS)研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 研究紹介(吉沢隆浩)

    • URL

      https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/kiban/i-animal/news/2013/04/post-2.php

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 信州大学学術情報オンラインシステムSOAR

    • URL

      https://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/search/detail.html?systemId=OCyUumkh&lang=ja

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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