研究課題/領域番号 |
23K07787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
波多野 豊 大分大学, 医学部, 教授 (80336263)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 透過性バリア回復能 / Typ2炎症 / 皮膚バリア機能 / 皮膚バリア回復能 / アトピー性皮膚炎 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎(以下、AD)では、角層透過性バリア異常が病態の重要な側面である。しかし、乾癬でも、角層セラミドの低下や表皮分化関連蛋白(フィラグリンやインボルクリンなど)の発現低下を伴う透過性バリア低下が観察されている。一方、透過性バリア回復過程の初期に重要な層板顆粒分泌においては、ADでの障害と乾癬での亢進が観察されている。本研究では、免疫学的に対極をなすAD(タイプ2優位)と乾癬(IL-23・Th17軸:タイプ3優位)における角層透過性バリア異常において明瞭に異なる層板顆粒分泌とそれを反映する透過性バリア回復能に着目し、免疫学的異常の透過性バリアへの影響について検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は、まず、透過性バリア機能回復に対する炎症因子の影響を調べるための実験系の確立を目指して実験を施行した。炎症性因子として、アトピー性皮膚炎に特徴的な炎症であるタイプ2炎症に関与するIL-4とIL-13、そして乾癬に特徴的な炎症であるタイプ3炎症に関与するIL-17AとIL-22の影響を検討する実験モデルの確立を目指した。マウスの皮膚をテープストリッピング処置したあとの透過性バリア回復を様々な条件で解析した。そして、サイトカインの皮内投与による影響解析のための最適な条件を探った。透過性バリア機能は、経皮的水分蒸散量(TEWL)を指標とした。 ①テープストリッピングの回数が5~6回で、テープストリッピング後のTEWLが55から70g/h/m2未満でのバリア破壊のモデルが適当と考えられた。 ②バリア破壊刺激後、3時間、6時間、24時間においてバリア回復率を解析した結果、3時間後(20~55%回復)と6時間後(45~70%回復)の解析が最適と考えた。 ③サイトカイン投与処置の最適化のために皮内投与量について検討を行った結果、50μlを2か所で合計100μl投与する条件、100μlを1か所に皮内投与する条件、及び50μlを1か所に投与する条件での検討を行った。50μlを2か所で合計100μl投与する条件で投与液が測定領域に均等に浸透しかつ投与直後のTEWL測定結果に影響を及ぼさないことを確認できた。 以上の①~③の結果から、サイトカイン皮内投与の透過性バリア回復能への影響を解析するための実験モデルが確立した。更に、皮内投与するIL‐4,IL-13,IL-17A,IL-22のリコンビナント蛋白濃度を検討し、投与予定の濃度を10ng/100μlとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
経皮的バリア回復に対する各種サイトカインの影響を解析する実験モデルを確立することが出来たが、影響解析までは進めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
IL-4、IL-13、IL-17A、IL-22の透過性バリア回復への影響を順次解析する。透過性バリア機能に大きな影響を与える層板顆粒の分泌も含めた解析を行う。
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