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乾癬併存症におけるCaveolin-1を介した病態的関与と発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K07789
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53050:皮膚科学関連
研究機関横浜市立大学

研究代表者

山口 由衣  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60585264)

研究分担者 渡邊 友也  横浜市立大学, 医学部, 講師 (00733461)
渡邉 裕子 (國見裕子)  横浜市立大学, 医学部, 講師 (10567605)
奥山 朋子  横浜市立大学, 医学部, 助教 (90806928)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード乾癬 / 併存症 / 脂肪性肝疾患 / カベオリン / 肥満 / NAFLD
研究開始時の研究の概要

カベオリンー1(CAV-1)を介した様々な代謝異常が、乾癬皮膚炎のみならず、肥満やNAFLDなどの併存症に関与するという仮説を立て検証し、CAV-1制御を標的とした治療応用への基盤を構築することを目的とする。具体的には、高脂肪食負荷とイミキモド塗布を行った乾癬併存症マウスモデルを用いて、併存症評価とCAV-1の病態関与の解明、さらには、CAV-1発現制御を行うことでの併存症が改善するかを検証する。

研究実績の概要

乾癬は、IL-23/IL-17/TNFαなどを主体とする免疫学的炎症と表皮過剰増殖を特徴とする。 肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)などの併存症を伴いやすく、全身性炎症性疾患として認識されているが、その共通病態や代謝制御に関しては未解明の部分が多い。我々はこれまで、細胞膜タンパクのCaveolin-1(CAV-1)発現異常が、乾癬病態における炎症を助長することを報告してきた。興味深いことに、糖尿病やNAFLDなどの病態におけるCAV-1の重要性が近年着目されているが、乾癬との関連は不明である。そこで、CAV-1を介した様々な代謝異常が、乾癬皮膚炎のみならず、肥満やNAFLDなどの併存症に関与するという仮説を立て、Psoriatic diseaseとしての相互病態解明、さらにはCAV-1制御を標的とした治療応用への基盤を構築することを本研究の目的とした。具体的には、高脂肪食負荷とイミキモド塗布を行った乾癬併存症マウスモデルを用いて、NASHや肥満を中心とした併存症評価とCAV-1の病態関与の解明、さらには、CAV-1発現制御を行うことでの併存症が改善するかを検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度の2023年は、高脂肪食負荷(HFD)とイミキモド(IMQ)負荷を組み合わ、乾癬併存症マウスモデルを作成し、体重、肝臓重量、CTを用いた内臓脂肪や皮下脂肪体積率、肝臓のHE染色増を用いてNAFLD activity scoreを評価、比較した。3か月間のHFD負荷により体重や内臓脂肪・皮下脂肪体積は通常食マウス(ND)に比較して有意に増加した。IMQ負荷により体重や脂肪体積は低下する傾向があり、これはHFDマウスのほうがNDより傾向が強かった。一方、肝臓重量は、各群で有意な差を認めず、そのため、体重あたりの肝臓重量は、IMQ負荷で相対的に増加する傾向にあった。興味深いことに、HFDマウスの肝臓HE標本を用いて、脂肪変性、肝細胞バルーミング、小葉変性を評価することでNAFKD/NASH activity scoreを評価したところ、IMQ負荷による悪化を認めた。これらの結果は、IMQ負荷の炎症によって体重や脂肪体積は低下するものの、脂肪性肝炎は悪化する傾向を示している。さらに、肝臓におけるCAV-1発現量評価の条件設定や、HepG2細胞を用いた脂肪性肝炎のin vitro実験系の確立を現在行っている。様々な実験系の条件設定に時間を要しているが、おおかた順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

乾癬併存症によるCAV-1発現異常評価は肝臓にフォーカスして評価を行う。CAV-1発現異常が認められた場合には、肝細胞を用いたNAFLD評価モデルの培養実験系において、RNA干渉法などでCAV-1発現を制御し、サイトカイン・アディポカイン産生、ミトコンドリア機能としてのエネルギー代謝、活性酸素量などの変化を解析する。また、CAV-1のscaffolding domain (CSD: aa82-101)は、CAV-1機能ペプチドとして作用することが知られており、これまでの研究で、CSDペプチド投与はIMQによる乾癬様皮膚炎を改善することを示してきた。今回、CAV-1の関与が示唆された場合に、CSDを連日皮下投与するとで、皮膚炎のみならず、脂肪性肝炎の改善効果があるかを、HFD+IMQ乾癬併存症モデルで検討する。また、脂肪性肝炎のin vitro実験系においても、乾癬炎症によって誘発された炎症をCSDが抑制しうるかを評価することで、CSDが乾癬のみならず併存症に対する治療的意義がある可能性を検討していく。さらに近年、CSDをさらに短鎖にすることで、より付加的な効果を示す可能性を検討しており、本課題においても様々なCSDペプチドを用いる可能性がある。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Medical University of South Carolina(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A water-soluble caveolin-1 peptide inhibits psoriasis-like skin inflammation by suppressing cytokine production and angiogenesis2024

    • 著者名/発表者名
      Chika Asai, Naoko Takamura, Tomoya Watanabe, Miho Asami, Noriko Ikeda, Charles F Reese, Stanley Hoffman, Yukie Yamaguchi
    • 学会等名
      2024 SID annual meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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