研究課題/領域番号 |
23K07795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
原田 和俊 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (20324197)
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研究分担者 |
沼田 貴史 東京医科大学, 医学部, 講師 (90791806)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 円形脱毛症 / Wntシグナル / 休止期 / 成長期 / リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では円形脱毛症のモデルマウスを用いて、新規の円形脱毛症の治療薬の開発を目的とする。具体的にはWntシグナルに注目し、Wntシグナルを活性化させるsmall moleculeを脱毛部位に局所投与することで、円形脱毛症における免疫反応が抑制されるかどうかを検討する。さらに、Wntシグナルは毛周期を休止期から成長期へ誘導することが報告されている。局所的にWntシグナルを活性化させることで、持続的な免疫反応によって、休止期にある毛包が成長期へ誘導されるのかについても検討する。
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研究実績の概要 |
円形脱毛症は毛組織をターゲットとする自己免疫疾患である。円形脱毛症によって出現する脱毛班は寛解増悪を繰り返し、罹病期間は長期間にわたる。脱毛によりボディーイメージの低下は患者のQOLを大きく損なう。これまで自己免疫反応を抑制するため、様々な治療法が考案されており、内服JAK阻害薬は重症例にたいしても一定の効果が示されている。しかし、その治癒率は30%程度であり、臨床効果が高く、安全な新規の治療法の開発が必要である。本研究では、局所投与可能で安全性が高く、自己免疫反応を抑制すると同時に、休止期に陥った毛包を成長期へ誘導する治療を開発することを目的とする。 具体的にはWntシグナルに注目し、Wntシグナルを活性化させるsmall moleculeを脱毛部位に局所投与することで、円形脱毛症における免疫反応が抑制されるかどうかを検討する。さらに、Wntシグナルは毛周期を休止期から成長期へ誘導することが報告されている。局所的にWntシグナルを活性化させることで、持続的な免疫反応によって、休止期にある毛包が成長期へ誘導されるのかについても検討する。 円形脱毛症のモデルマウスにおける脱毛斑の誘導 C3H/HeJマウスは円形脱毛症のモデルマウスであるが、脱毛斑の出現率は必ずしも高くない。脱毛斑を誘導するために、脱毛斑を生じているマウスのリンパ節からリンパ球を採取後、IL-2、IL-7、IL-15、CD3/CD28ビーズで培養したリンパ球をマウスに皮内注射する方法が確立されている。当研究室ではこの手技が確立していないので、まず本年度では、C3H/HeJマウスに脱毛斑を安定的に生じさせるように実験系を確立させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の目標であったモデルマウスにおける脱毛斑の誘導を安定して行える手技を当研究室内で確立すべく、実験を行なっている。具体的には、脱毛斑を生じたC3H/HeJマウスのリンパ節からリンパ球を回収し、IL-2、IL-7、IL-15、CD3/CD28ビーズで培養することに成功した。その後、培養したリンパ球を脱毛斑のないC3H/HeJの皮膚へ局所注射し、脱毛斑が出現することを確認できた。現在、脱毛斑を生検し、組織学的解析を行っており、毛組織へのリンパ球の浸潤が再現されているか、確認中である。
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今後の研究の推進方策 |
C3H/HeJに出現した脱毛斑が組織学的に円形脱毛症の病変部と一致していれば、安定的に、脱毛斑をマウスに作成できるよう、同じ実験を繰り返すこととする。もし、毛組織に炎症細胞浸潤などがない場合には、局所へ注射する際のリンパ球数やリンパ球の培養期間などを検討する。 安定して実験系が確立後は、Small molecule投与による毛包のWntシグナル活性化 WAY-316606、SB-216763、CHIR99021などのsmall moleculeをC3H/HeJに生じた脱毛部位に塗布もしくは皮内投与し、Wntシグナルが活性化されるか検討する。
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