研究課題/領域番号 |
23K07801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武井 則雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50523461)
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研究分担者 |
太田 明伸 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30438048)
桜井 敬之 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80317825)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | GPCR / 精巣 / ゲノム編集 / 嗅受容体 / KOマウス / KIマウス / 癌 / 嗅覚受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
精巣特異的に発現する分子の中には癌細胞において強く発現するものが報告されており、これら癌精巣特異分子は癌の増悪化に寄与することから、新たな治療・診断に有用な分子標的として期待されている。これら分子の内、嗅覚受容体の一つは癌の悪性化に寄与し癌特有の環境下でその発現は増加することから、有用な治療標的および診断基準となるとなり得ると考えられるがその機能は不明である。そこで本研究では遺伝子改変細胞およびマウスを用いて本分子の作用機序を明らかとすることで、生物学的および臨床応用につながる基礎的な知見を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
嗅覚受容体であるolfactory receptor family 7 subfamily C memberは、癌細胞および正常組織では精巣において有意に発現することが報告されている機能未知のG protein coupled receptor (GPCR)である。本研究ではこの嗅覚受容体の基礎的な知見を得ることを目的とし、遺伝子改変細胞およびマウスを用いた機能解析を行った。まず、本分子の主要なシグナル経路およびそのリガンドを同定することを目指し、既に樹立済みの遺伝子欠損マウス(KOマウス)を用いた個体レベルでの表現型解析を進めた。これまでの基礎的な表現型(成長、生化学、血液学的解析など)解析の結果に加え、精巣特異的発現の意義を明らかにするため、発現の認められる器官の内、精巣を中心に表現型解析を進めた結果、生殖能においてKOマウスと野生型で有意な差が認められた。このことから、本分子は生殖細胞系列において重要な機能を有していることが示唆された。また、新たに複数の遺伝子欠損癌細胞株においてその増殖能などの変化を解析した結果、これまで同様、KOによる抑制効果が認められた。次に、作用機序解明へ向けた、遺伝子挿入(KI)の系を立ち上げた。いくつかのエピトープタグおよびレポータータンパクを標的遺伝子座のエクソン領域末端に挿入したKI細胞およびマウスの樹立を試み、その挿入・発現を検出系で確認した。加えて、リガンド同定に関しては、リガンドスクリーニングを行い、いくつかのリガンド候補を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回樹立し、解析を進めているKIシステムの系において、検出感度向上を目指し、再構築を行っているため、それを用いた相互作用分子を同定などの実験系の進捗に遅れが生じている為。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きKI系の検出系に関しては検証を行うとともに得られたKOおよびKI細胞・マウスを用いた、相互作用分子同定へ向けた解析を行う。また、リガンド候補から、現在までに得られている表現型と生物学的にも妥当である候補に関して整合性の検証を行うとともに、既に得られているマイクロアレイ解析等の結果も踏まえ、主要シグナル経路の同定を目指す。 また、KIの系とは別に、検出系を樹立する為有用抗体が存在しないことから、OR7C1ホモログintactなKOマウスを宿主とした特異的かつ種々の用途に使用可能な抗体作成に関しても引き続き進める予定である。
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