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急性骨髄性白血病におけるミトコンドリア活性化の臨床的意義と新規標的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07821
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

山口 博樹  日本医科大学, 医学部, 大学院教授 (90297937)

研究分担者 中嶋 亘  日本医科大学, 医学部, 講師 (40557500)
脇田 知志  日本医科大学, 医学部, 准教授 (70465350)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード急性骨髄性白血病 / ミトコンドリアDNAコピー数 / NPM1変異 / FLT3-ITD / シタラビン耐性 / ベネトクラクス耐性 / MCL-1 / ミトコンドリア活性
研究開始時の研究の概要

急性骨髄性白血病(AML)においてミトコンドリアの活性化は、白血病幹細胞の生存や、抗癌剤への耐性化に関与をしている可能性が高い。申請者らはミトコンドリアDNAの増加はFLT3-ITD陽性AMLの治療抵抗性に関わる可能性を示した。マイトファージ経路をはじめとするミトコンドリアの活性化に関わる分子的な背景や、白血病幹細胞におけるミトコンドリアの活性化の白血病発症や再発への関与をin vitroやin vivoの解析で明らかにし、FLT3-ITD陽性AMLにおいてミトコンドリアの活性化がどのように治療抵抗性にかかわっているのか、またミトコンドリアの活性化が新規治療標的とならないかを明らかにする。

研究実績の概要

急性骨髄性白血病(AML)においてミトコンドリアの活性化は、白血病幹細胞の生存や、化学療法への耐性化に関与をしている可能性が高い。
日本医科大学GS-JAML研究に登録されたAML患者の中から、変異型NPM1かつ野生型FLT3 31症例、野生型NPM1かつFLT3-ITD 79症例、変異型NPM1かつFLT3-ITD 96症例の計206症例を対象としてミトコンドリアDNAコピー数/体細胞DNAコピー数(mtDNA/nDNA)比の解析を行った。変異型NPM1とFLT3-ITDが共存するdouble mutated AML症例においてmtDNA/nDNA比が健常者の末梢血単核球と比較して1.5倍以上であったmtDNA-HIGH群は、他の群と比べて有意に予後不良であった。この結果から、FLT3-ITDおよびNPM1変異を伴うAMLの化学療法耐性化にmtDNAの変化が関与する可能性が示唆された。
次に、化学療法耐性によってmtDNAに変化が生じるかどうかを評価するためにFLT3-ITD陽性細胞株(MV411)に対するシタラビン、ベネトクラクス(VEN)の少量長期暴露を行い薬剤耐性細胞株の作成を行った。VEN耐性細胞株においてアポトーシスを制御するBCL-2ファミリー分子の発現量を検討した結果、顕著なMCL-1タンパク量の増加を認めた。そこでMCL-1阻害剤S63845を投与したところ、耐性獲得前と比べ各薬剤への感受性が高くなることが確認された。
これらの結果を踏まえて、VEN耐性細胞株におけるmtDNA/nDNA比と薬剤耐性獲得と相関や、FLT3-ITD陽性細胞株やBa/F3細胞にFLT3-ITDを導入した細胞でFLT3阻害剤を処理後、オルガネラ選択的オートファジー定量レポーターを用いて、マイトファジー活性の定量を現在行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度中にDouble mutated AMLのうち特にmtDNA発現が高値であった症例と低値であった症例を対象としてRNAseqを行う予定であった。しかしVEN耐性細胞株やシタラビン耐性細胞株、それぞれの耐性前細胞株に対してのRNAseqを同時に行う計画に変更した。
VEN耐性細胞株やシタラビン耐性細胞株の作成に時間を要したためRNAseqの実験が遅れている。

今後の研究の推進方策

1.32症例の初発時再発時ペアー検体を対象としてmtDNA/nDNA比の解析を行い、AML再発におけるミトコンドリアの活性化の臨床的意義を検討する。
2.Double mutated AMLのうち特にmtDNA発現が高値であった症例と低値であった症例を対象としてRNAseqを行い遺伝子発現プロファイルの確定しmtDNA発現の変化に関わった経路を同定する。
3.VEN耐性細胞株やシタラビン耐性細胞株とそれぞれの耐性前細胞株において、RNAseqによる遺伝子発現プロファイルを行いミmtDNA発現の変化に関わった経路を同定する。
4.MCL-1発現増加とmtDNA/nDNA比との関係を明らかにして薬剤耐性の機序を検証する。
以上のことからAMLにおいてミトコンドリアの活性化がどのように化学療法への耐性化に関与をしているのかを明らかにし、FLT3-ITD陽性AMLの新たな治療標的を見出す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Mitochondrial DNA copy number stratified the prognosis of NPM1/FLT3 mutated AML2023

    • 著者名/発表者名
      小島祐依, 脇田 知志, 下平統英, 丸毛淳史, 森田薫, 賀古真一, 土岐典子, 諫田淳也, 黒田純也, 森慎一郎, 佐竹敦志, 臼杵憲祐, 植木俊充, 魚嶋伸彦, 河田英里, 中山一隆, 永尾侑平, 鐘野勝洋, 澁澤基治, 木村晋也, 一戸辰夫, 本村小百合, 橋本朗子, 佐藤恵理子, 緒方正男, 安藤純, 田代晴子, 阪口正洋, 神田善伸, 山口博樹
    • 学会等名
      第85回日本血液学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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