研究課題/領域番号 |
23K07832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
牛島 洋子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60755552)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 急性前骨髄球性白血病 / PDXモデル / 難治性急性骨髄性白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
急性前骨髄球性白血病(APL)は全トランスレチノイン酸および亜ヒ酸による治療導入によりその予後が著明に改善したが、高リスク群では再発例も多く存在する。これまでに申請者らは、初発時検体で免疫不全マウスへの異種移植(PDX)モデルが樹立され継代可能なAPL症例は再発を来すことを見いだした。本研究では、APL-PDXモデルで生物学的に意義付けられた難治性クローンの形成に関わる要因に着目し難治性APLの分子病態解明を図り、分子病態に基づく新規治療法を、難治性APL-PDXマウスモデルを用いて検討し、開発することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、難治性急性前骨髄球性白血病(APL)の分子病態解明および新規医療標的探索のため、①APL症例およびPDXモデルマウス検体でのPML::RARA cDNA全長変異解析、②APL-PDXマスモデルでの難治性APLクローン解析、③APLにおけるPML::RARA short-formとFLT3-ITDの分子学的意義の検討、④APL-PDXマウスモデルを用いた治療後残存細胞の解析および薬剤感受性の検討、を計画しており、各々下記の通り遂行した。①PML::RARA cDNA全長変異解析を一部の検体にて次世代シーケンシングを用いて行った。RARAに変異が検出された検体が認められたものの半数以上の検体でPMLおよびRARAに変異は検出されず、両遺伝子における変異以外の治療抵抗性機序が存在するものと考えられた。②難治性APLクローン解析として、初発または再発時APL症例検体、APL-PDXマウス検体、計36検体においてRNAシーケンシングを施行した。症例間、症例における病期間、症例-PDX間での遺伝子発現プロファイルの比較など、解析を進めている。③PML::RARA short-formおよびFLT3-ITDのAPLにおける分子学的意義をin vitroと引き続いてのin vivoにおいて検討するため、まずin vitroでの評価系として、PML::RARA short-formまたは/およびFLT3-ITDのマウス骨髄から分取した造血幹細胞を含む分画細胞への導入を試みている。④APL-PDXマウスを用いた薬剤治療モデルについては、APL-PDXの継代が可能であった難治性APL症例において、保存検体を用いて複数系統を新たに作製した。これらのモデルにおける薬剤投与を今後計画しており、現在継代を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体およびAPL-PDX検体における解析、APL-PDXを用いた薬剤治療モデルについては、おおむね順調に経過している。PML::RARA short-formおよびFLT3-ITDの分子学的意義の解析はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記4項目について、継続して進行を図る。APL症例およびPDXモデルマウス検体でのPML::RARA cDNA全長変異解析については、予定検体のうち未施行の検体について解析を進めていく。APL-PDXマスモデルでの難治性APLクローン解析については、今年度施行したRNAシーケンスの結果解析を進めるとともに、APL症例保存検体でのCD34/CD38発現により分離した各分画細胞を用いたPDXモデルの確立を図る。APLにおけるPML::RARA short-formとFLT3-ITDの分子学的意義の検討については、in vitroでの評価系の作製を継続しin vivoへの移行を図る。APL-PDXによる薬剤治療モデルについては、薬剤投与実験への移行を予定する。
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