研究課題/領域番号 |
23K07849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (90291426)
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研究分担者 |
白川 龍太郎 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (50581039)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フォンウィルブランド因子 / ずり応力 / 凝固第VIII因子 / 第VIII因子 / 血小板 |
研究開始時の研究の概要 |
高ずり応力が原因となる後天性フォンヴィレブランド症候群に関する以下を解決する:(1)VWF多量体解析でVWF高分子量多量体の欠損が明らかな症例においても、VWF:RCoには大きな低下はなく、この血漿の止血機能を解析する。また、VWF-RCo/VWF:Ag比は、VWF多量体解析でのVWF高分子量多量体の欠損に対して、特異度は高かったが、感度は低かった。その原因を解明する。(2)非生理的な高ずり応力下の血小板機能を明らかにする。(3)第VIII因子はVWFと複合体を形成して安定する。第VIII因子・VWF複合体の構造は解明されておらず、本研究で構造を決定する。
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研究実績の概要 |
本年度は主として以下課題に取り組み成果を上げた:(1)フォンウィルブランド因子(VWF)高分子量多量体の減少をVWF多量体解析(非還元条件下のVWFウェスタンブロッティング)で確認できても、病院検査室で測定可能なVWF:RCo/VWF:Ag比の低下がないのはなぜか?ーーVWF高分子量多量体量を反映するVWF-large multimer index (LMI)とVWF:RCo/VWF:Ag比は良く相関した。ただ、VWF-LMIと比べて、VWF:RCo/VWF:Ag比は大動脈弁狭窄症程度のずり応力疾患では後天性フォンウィルブランド症候群(AVWS)を診断するには感度が低かった。一方、さらに強い高ずり応力が生じるECMOなどの機械的補助循環装着では、VWF:RCo/VWF:Ag比は十分に診断的価値を有した。(2)血小板の膜蛋白質を解析するための抗体の選定を行い、10を越える膜蛋白質の抗体を準備出来た。(3)大動脈弁狭窄症では、VWF抗原量が増加するため、効率が落ちてVWF:RCo/VWF:Ag比が低下していてもVWF:RCoは100%程度に保たれる。この様な状態が個体内の止血機能における影響を明らかにすることを目指している。今年度は、予備解析として、血漿に種々の条件でボルテックス法にてずり応力をかけて、VWF多量体への影響を見た。次年度には、それらの血漿のVWFが主として機能するずり応力依存性血小板凝集を解析する。(4)第VIII因子はVWFと複合体を形成して安定化するが、分子比は1:50から1:100である。その結合様式は解明されておらず、解明を目指した。VWF多量体1分子に、第VIII因子が1分子が結合するという仮説の下に研究を続けたが、結果は否定的であった。さらなる検討を要する、と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の4つの課題の解明を目指している。成果を上げた課題もあったが、一方で、予備解析の段階の課題や、立案した仮説に否定的な結果もあった。そのような課題でも、問題点が浮き彫りになり、概ね順調に進んでいると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度血小板の膜蛋白質を解析するための抗体の選定を行い、10を越える膜蛋白質の抗体を準備出来た。20204年度には、血小板に種々のずり応力をかけ、2023年度に選定した抗体を用いて、ずり応力による血小板膜蛋白質のシェディングについて解明する。VWF:RCo/VWF:Ag比が低下しつつもVWF:RCoは100%に保たれた血漿の、VWF依存性(ずり応力誘発性)血小板凝集を解析する。第VIII因子はVWFと複合体を形成して安定化するが、分子比は1:50から1:100である。その結合様式は解明されておらず、解明を目指した。VWF多量体1分子に、第VIII因子が1分子が結合するという仮説の下に研究を続けたが、結果は否定的であった。現在、考え得る可能性を考案中である。
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