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正常および腫瘍造血微小環境におけるテロメア結合因子の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07861
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

細川 健太郎  九州大学, 医学研究院, 講師 (90569584)

研究分担者 新井 文用  九州大学, 医学研究院, 教授 (90365403)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードテロメア / DNA損傷 / 造血支持 / 間葉系幹細胞 / 造血幹細胞 / 急性骨髄性白血病 / ニッチ
研究開始時の研究の概要

本研究では、正常造血や白血病病態におけるニッチ機構の解明を目的とし、テロメア結合因子Pot1の機能を明らかにすることで、AML支持因子の同定を行う。Pot1が転写因子として機能することに着目し、AML支持因子の標的候補を特定することを目的とする。同定された標的に対する阻害剤探索や開発を通じ、AML支持機構の破壊を主軸とした新規治療法の確立に繋がることが期待される。

研究実績の概要

2023年度は、Pot1aの欠損がMSCに与える直接的な影響を解析したところ、欠損MSCにおいて、DNA損傷の増加とエネルギー代謝の促進がみられ、MSCの数は減少していた。また遺伝子発現解析では、欠損MSCではエネルギー産生やアポトーシスシグナルに関連した遺伝子の発現が上昇していることが示唆された。これらの結果より、Pot1aはDNA損傷に続くエネルギー代謝の活性化やアポトーシスの抑制を通じてMSCのポテンシャル維持に重要であることが考えられた。また造血支持能に対する解析を行ったところ、Pot1a欠損マウスのHSC数の減少および、細胞周期の活性化が見られ、骨髄再構築能が低下することを確認した。また欠損群ではリンパ球前駆細胞の割合も減少していたが、他の前駆細胞に影響はなかった。Pot1a-KOマウスにおいてHSC・CLPの支持能の低下が示唆された。Pot1aのMSCの機能維持に対する役割を明らかにするため、外因性Pot1aタンパク質の導入を試みた。通常、MSCは培養環境下においてPot1aの発現が速やかに低下し、一方で高い増殖力を示すが、HSCの支持能は低下してしまう。ここに外因性Pot1aを導入したところ、細胞増殖の速度、DNA損傷応答、活性酸素種の産生量が抑制された。この条件でHSCの支持能を比較するため、外因性Pot1aを導入したMSCとHSCの共培養後に、HSCを移植して骨髄再構築能を比較すると、その活性は対照群よりも高いことが分かった。以上より、Pot1aはMSCの造血支持能の維持に重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、Pot1a欠損マウスを用いてMSCの遺伝子発現を比較し、これまでに得られていた表現型に対する結果を裏打ちすることができた。またHSCの支持能の低下に繋がることも確認できた。共培養法を用いたPot1aの造血支持能に対する機能解析では、外因性Pot1aの導入による支持能の維持が確認できており、病態ニッチにおける機能解析のための下地ができたと考えられる。

今後の研究の推進方策

次年度は、MSCによって分泌される造血幹細胞支持因子の骨髄における総量を測定することで、Pot1aが造血支持に与える影響を明らかにする。また、老齢個体のMSCではPot1aの発現が低下することが分かっているが、造血支持に対する表現型についてPot1a欠損マウスとの比較を行う。さらにこのような老齢MSCへの外因性Pot1a導入によって機能回復効果を解析する。一方でAMLモデルにおけるMSCの遺伝子発現解析を行い、造血支持因子に関して、正常MSCとの違いを明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] POT1a deficiency in mesenchymal niches perturbs B-lymphopoiesis2023

    • 著者名/発表者名
      Nakashima Kentaro、Kunisaki Yuya、Hosokawa Kentaro、Gotoh Kazuhito、Yao Hisayuki、Yuta Ryosuke、Semba Yuichiro、Nogami Jumpei、Kikushige Yoshikane、Stumpf Patrick S.、MacArthur Ben D.、Kang Dongchon、Akashi Koichi、Ohga Shouichi、Arai Fumio
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05374-0

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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