研究課題/領域番号 |
23K07876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 元久 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80404599)
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研究分担者 |
上原 昌晃 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90972381)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | IgG4関連疾患 / RNA-seq / エクソソーム / 空間的解析 / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
IgG4関連疾患は、わが国で疾患概念が確立された新しい全身性慢性炎症疾患である。現時点では対症的に、画一的なステロイド治療が行われるが、治癒は困難であり、長期にわたるステロイド維持療法が行われている。本疾患には時間的・空間的多発性という特徴がある。このため、病期・罹患臓器に応じた治療法の開発が必要と考えられる。本研究では、発症からの時間軸における遺伝子発現変動、及び罹患臓器ごとの遺伝子発現の特性をRNA-seq解析により同定する。また 同時にエクソソーム解析・シングルセルRNA-seq解析を行い、時間的・空間的遺伝子変動の相互作用及び制御メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和5年度 研究実績の概要 1. 顎下腺サンプルのRNA-seq解析:包括診断基準(2011年, 2020年)に従い診断された、IgG4関連疾患20例の顎下腺サンプルを用いて、bulk RNA-seq解析を実施した。その結果、対照顎下腺サンプルと比較し、5,169遺伝子が有意に発現が亢進し、2,773遺伝子が発現が抑制されていた。パスウェイ解析にて、上方制御されていた経路には、細胞周期およびT細胞に関連する経路が抽出され、下方制御された経路には複数のGTPase経路、タイトジャンクションに関連する経路が認められた。現在、対照顎下腺サンプルと比較し、変動有意差のある遺伝子を抽出し、その意義及び病態の関与について解析中である。 2. 末梢血のエクソソーム解析:IgG4関連疾患の末梢血では、miR-125a-3p、miR-125b-1-3p濃度が有意に高いことが明らかになった。これらの標的とする遺伝子には、glypican 4, forkhead box C1, protein tyrosine phosphatase non-receptor type 3, hydroxycarboxylic acid receptor 1, major facilitator superfamily domain containing 11, and tumour-associated calcium signal transducer 2があり、病態への関与について、今後も解析予定である。 3. 臨床データとの統合:現在、これらの結果と臨床情報を統合し、それぞれの結果のアノテーションを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、研究計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度以降の計画 1. それ以外の臓器サンプルRNA-seq解析:現在、自己免疫性膵炎のサンプルを収集中である。これらのサンプルが十分量集まり次第、RNA-seq解析を実施し、臓器間での遺伝子発現の差異があるか検討する。また同時に涙腺や後腹膜などの組織に関しても、同様に検討を行っていく。 2. 顎下腺bulk RNA-seq解析結果のサブ解析:顎下腺サンプルの臨床情報をもとに、層別化を実施し、病期による遺伝子発現の差異を検討する。これにより、病期判定マーカーを探索する。 3. 末梢血単核球のscRNA-seq解析:PBMCのscRNA-seq解析を遂行し、免疫細胞サブセットによる遺伝子発現とbulk RNA-seq解析結果との関連性を調査、統合的な解釈を見出す。
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