研究課題/領域番号 |
23K07888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90345033)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HIF-3α / KOマウス / 出生後死亡 / 肺高血圧症 / 低酸素誘導性転写因子 / 肺血管リモデリング / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
膠原病に伴う肺高血圧症の病態は多様であり発症機序も不明である。我々は、低酸素応答抑制分子IPAS/HIF-3α遺伝子破壊マウスが肺高血圧症類似の形質を示す事に着目して研究を展開している。本研究は、IPAS/HIF-3α遺伝子異常が膠原病性肺高血圧症および肺血管リモデリング異常にいかなるメカニズムで寄与するか、特に標的遺伝子制御の破綻との関連から解明し、膠原病性肺高血圧症の病態におけるIPAS/HIF-3αの意義を究明することを目指すものである。従来未知の分子病態のモデルを提唱し、新たな治療法開発の分子基盤を確立することを最終的な目標とする。
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研究実績の概要 |
申請者は、低酸素応答抑制分子IPAS/HIF-3α遺伝子破壊マウスが肺高血圧症類似の形質を示す事に着目して研究を展開している。本研究は、IPAS/HIF-3α遺伝子異常が膠原病性肺高血圧症の発症進展に寄与するメカニズムを解明し、新たな治療法開発の基盤を確立することを最終的な目標とする。本研究の具体的な遂行計画は、①IPAS/HIF-3α遺伝子欠損がマウスの表現形質、特に肺血管、肺胞構造に与える影響とその分子機構の解明、②IPAS/HIF-3αKOマウスにおける肺高血圧症の誘導とその生理学的・病理学的解析、③強皮症性肺高血圧症関連IPAS/HIF-3α遺伝子多型がもたらす病的形質のin vivo解析とその是正法開発の分子基盤の構築、を到達目標として展開する。 今年度は、IPAS/HIF-3α遺伝子欠損マウス(IPAS/HIF-3αKOマウス)の表現形質解析を中心に研究を展開した。CRISPR /Cas9を用いたIPAS/HIF-3αゲノム遺伝子のエクソン2の切断により同部位に一塩基欠失(HIF3A_del)、一塩基挿入(HIF3A_ins)の変異を生じ、それぞれエクソン3、エクソン4で終止コドンを形成することでHIF3A遺伝子産物を発現しないマウスが誕生した。いずれのKOマウスも体長、体重は野生型マウスと差異はなかったが、出生仔数は野生型に比べ減少していた。生後28日齢では、IPAS/HIF-3αKOマウスは両系統ともホモ接合体の割合が10%程度とメンデルの法則から外れていた。IPAS/HIF-3αKOマウスは生後0日には野生型と同様の生存数を示すものの、生後1日までに野生型マウスの約50%まで生存率が低下した。生後0日では、IPAS/HIF-3αKOマウスホモ接合体の割合は25%であった。KOマウスの出生早期の死亡のメカニズムについて肺構造の観点からさらに解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IPAS/HIF-3αKOマウスの表現形質の解析が順調に行われている。IPAS/HIF-3αKOマウスの肺構造の異常の有無についての解析も進行中である。今後の病態モデル作成に資するマウスが確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
IPAS/HIF-3αKOマウスの出生直後死亡の病態について、特に肺構造の異常との関連から解析を進める。これまでにIPAS/HIF-3αKOマウスにおいて、肺血管構造、肺胞構造に異常を来すことが示唆されているが、それぞれの定量的解析など詳細に検討を進める。
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