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EBI3含有ヘテロダイマーサイトカインによる免疫疾患の相反的制御機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K07917
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
研究機関川崎医科大学

研究代表者

井関 將典  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30532353)

研究分担者 向井 知之  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00454421)
森実 真  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80423333)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードアトピー性皮膚炎 / 全身性エリテマトーデス / サイトカイン / EBI3 / 自己免疫疾患 / T細胞
研究開始時の研究の概要

アトピー性皮膚炎、全身性エリテマトーデスなどの慢性免疫疾患ではサイトカインによる免疫細胞の分化、活性化の誘導が病態の鍵となっている。 EBI3を構成要素とするサイトカインIL-27、IL-35、IL-39はT細胞の分化、活性化に関わることが示唆されているが、慢性免疫疾患における役割の解明は十分ではない。我々は予備的解析の結果からEBI3を含むサイトカインが疾患ごとに異なる機構で免疫異常を制御していると考えており、本研究ではその分子機構を明らかにすることを目的とする。本研究から得られる知見は慢性免疫疾患の新しい治療法開発につながる。

研究実績の概要

本研究ではサイトカインの構成要素EBI3がどのような分子機構でアトピー性皮膚炎、全身性エリテマトーデス(SLE)等の慢性免疫疾患を制御しているかを明らかにすることを目的としている。予備実験により我々が独自に作製したEbi3欠損(KO)マウスではアトピー性皮膚炎用の皮膚炎症が野生型(WT)マウスと比較して亢進しているという結果が得られていた。予備実験時よりマウスの匹数を増やして同じ実験を行った。WTおよびKOマウスの耳にビタミンD誘導体であるMC903を毎日塗布し、アトピー性皮膚炎様の炎症を誘導した。毎日耳の厚さを測定し炎症の程度を比較したところ、WTとKOマウスの間に有意な差は見られなかった。以前の結果はマウス間のばらつきが群間の差として現れてしまった可能性が考えられる。またTLR7リガンドであるイミキモド(IMQ)を耳に週3回、8週間塗布するSLEモデル実験では、予備検討時にWTマウスで見られる脾腫がKOマウスでは軽減するという結果が得られていた。再実験の結果、前回と同様にWTマウスで誘導された脾腫がKOマウスでは有意に軽減することが分かった。更に、WTマウスではIMQ塗布によって末梢血中の白血球数が増加していたが、KOマウスではそれが有意に減少していた。しかしながらSLEの特徴とされる血清中の抗二重鎖DNA抗体価上昇やクレアチニン上昇などはIMQを塗布したWTマウスでも観察されず、C57BL/6背景ではSLEを誘導できないことも明らかとなった。引き続きEBI3がIMQ塗布によって誘導される脾腫をどのように制御しているかについて、EBI3を構成要素とするサイトカインの働きに着目し解析を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画書に記載の通り、Ebi3欠損(KO)マウスおよび野生型(WT)マウスを用いて、MC903塗布によるアトピー性皮膚炎モデル実験、およびイミキモド(IMQ)塗布によるSLEモデル実験を行うことができた。SLEモデル実験については、予備実験の再現性が確認された。その他末梢血中の白血球や脾臓の免疫細胞の活性化状態を調べることができ、現在も引き続き解析中である。アトピー性皮膚炎モデル実験については予備実験で見られた差が再現できなかったため、計画書記載の別の実験系による炎症誘導を行う予定である。

今後の研究の推進方策

アトピー性皮膚炎モデル実験は予備実験で用いていたMC903塗布による炎症誘導の実験系ではEbi3欠損(KO)マウスと野生型(WT)マウス間で炎症の程度に差が見られなかったため、今後は別の実験系としてハプテン塗布によるアトピー性皮膚炎様皮膚炎症誘導実験を行うことを計画している。この実験系ではT細胞による抗原認識と活性化が重要であるので、エフェクターT細胞の分化に関わると報告されているEBI3の欠損による影響が観察できることが期待される。SLEモデル実験についてはEBI3がイミキモド塗布によって脾腫が誘導される機構にどのように関与しているかについて、特にEBI3を構成要素とするサイトカインの働きに着目して引き続き解析を進めていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Co-occurrence of non-alcoholic steatohepatitis exacerbates psoriasis associated with decreased adiponectin expression in a murine model2023

    • 著者名/発表者名
      Takezaki Daiki、Morizane Shin、Ikeda Kenta、Iseki Masanori、Sakamoto Yuma、Kawakami Yoshio、Hashiguchi Taishi、Shirakata Yuka、Nishina Sohji、Mukai Tomoyuki
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 14 ページ: 1214623-1214623

    • DOI

      10.3389/fimmu.2023.1214623

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] “Input/output cytokines” in epidermal keratinocytes and the involvement in inflammatory skin diseases2023

    • 著者名/発表者名
      Morizane Shin、Mukai Tomoyuki、Sunagawa Ko、Tachibana Kota、Kawakami Yoshio、Ouchida Mamoru
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 14 ページ: 1239598-1239598

    • DOI

      10.3389/fimmu.2023.1239598

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The cytokine component Epstein-Barr virus induced 3 (EBI3) promotes systemic inflammation induced by TLR7 ligand2024

    • 著者名/発表者名
      Masanori Iseki, Yuma Sakamoto, Daiki Takezaki, Shin Morizane, Tomoyuki Mukai
    • 学会等名
      第52回日本免疫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Concomitant Nonalcoholic Steatohepatitis Worsens Psoriasis Associated with Decreased Adiponectin Expression in a Mouse Model2024

    • 著者名/発表者名
      Daiki Takezaki, Shin Morizane, Kenta Ikeda, Masanori Iseki, Yuma Sakamoto, Yoshio Kawakami, Taishi Hashiguchi, Yuka Shirakata, Sohji Nishina, Tomoyuki Mukai
    • 学会等名
      第52回日本免疫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] サイトカイン構成要素EBI3はTLR7リガンドによって誘導される全身性炎症を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      井関 將典, 坂本 祐真, 竹﨑 大輝, 森実 真, 向井 知之
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪性肝炎の併存はマウスモデルにおける乾癬を悪化させる2023

    • 著者名/発表者名
      竹﨑大輝, 森実真, 池田賢太, 井関將典, 坂本佑真, 川上佳夫, 橋口太志, 白方有香, 仁科惣治, 向井知之
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪肝炎は乾癬モデルマウスの皮膚IL-23A遺伝子発現を増強する2023

    • 著者名/発表者名
      竹﨑大輝、森実真、池田賢太、井関將典、坂本佑真、川上佳夫、橋口太志、白方有香、仁科惣治、向井知之
    • 学会等名
      第122回日本皮膚科学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Accompanying non-alcoholic steatohepatitis exacerbates psoriasis in a murine model2023

    • 著者名/発表者名
      Daiki Takezaki, Shin Morizane, Kenta Ikeda, Masanori Iseki, Yuma Sakamoto, Yoshio Kawakami, Taishi Hashiguchi, Yuka Shirakata, Sohji Nishina, and Tomoyuki Mukai
    • 学会等名
      International Societies for Investigative Dermatology 2023 (ISID 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] 川崎医科大学 免疫学教室

    • URL

      https://sites.google.com/view/kms-immunology/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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