研究課題/領域番号 |
23K07925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
金城 武士 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90724211)
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研究分担者 |
鍋谷 大二郎 琉球大学, 病院, 医員 (20870679)
松本 悠希 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (30749114)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゲノム解析 / アブセッサス / 亜種同定 / 非結核性抗酸菌 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
非結核性抗酸菌(NTM)の検査には課題が多い。現在主流の質量分析では3割の菌株で菌種同定ができず、薬剤感受性検査は労力、熟練、時間を要し現場の負担となっている。正確な菌種同定から薬剤感受性判定まで一度にできれば理想的で臨床現場の役に立つ。我々はリボソーマルMLST法による高精度・迅速なNTM同定の基盤技術を確立したが、本研究ではNTMの中でも特に難治性で、診療上も亜種レベルまでの菌種同定が必要なアブセッサスにフォーカスを絞り、亜種レベルの高精度な菌種同定が安定的に実施できる検査手法の確立と、網羅的な薬剤耐性遺伝子検出も可能なシステムの開発を行う。
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研究実績の概要 |
現在までに、沖縄県内患者から分離されたアブセッサスの臨床分離株54株の解析が終了しており、28株はMycobacterium abscessus subsp. abscessus、26株はMycobacterium abscessus subsp. massilienseと同定でき、この結果は全ゲノム解析ベースの同定結果と完全に一致していた。また、問題となっていたMLSTスコアに関しては、41株が最大値の「1」で、その他の株に関してもスコアが0.88~0.98と、高精度な同定ができていた。
ゲノム解析に基づく薬剤耐性予測の検討に関してであるが、マクロライド耐性はrrl遺伝子(代表的なものとして「A2058」と「A2059」の2つを検査対象とした)とerm41遺伝子(T28C, trancation)の変異を基に、また、アミカシン耐性はrrs遺伝子(代表的なものとして「A1408」、「C1409」、「T1498」の3つを検査対象とした)の変異を基に薬剤耐性を推測するシステムを構築した。その結果、Mycobacterium abscessus subsp. abscessusのクラリスロマイシン、アミカシンそれぞれの微量液体希釈法との結果一致率は、96.3%、100%であった。また、Mycobacterium abscessus subsp. massilienseのクラリスロマイシン、アミカシンそれぞれの微量液体希釈法との結果一致率は両者とも100%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アブセッサス臨床分離株54株の亜種同定と薬剤耐性予測の検討を予定通り順調に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
概ね予定通りに研究を遂行できている。薬剤耐性予測システムの開発に関しては、薬剤耐性株の収集が課題である。
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