研究課題/領域番号 |
23K07933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
財賀 大行 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40752499)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転写因子MafB / 免疫抑制 / 結核菌感染 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの臨床疫学研究から人種間共通の結核感受性遺伝子として転写因子MAFBが候補に挙げられるが、転写因子MAFBの結核菌感染における役割については全くわかっていない。今回我々は転写因子MafBが結核菌感染制御で重要な役割を担っている免疫分子の抑制に関与することを見出した。そこで本研究課題では、転写因子MafBによる免疫抑制システムが結核菌感染においてどのように機能しているのかを明らかにすることを目的とし、その基礎研究データから転写因子MafBの結核感受性因子としての可能性を追究したい。
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研究実績の概要 |
結核を発症する活動性結核患者とほとんど無症状である潜在性結核患者の結核に対する感受性の違いを決定づけている宿主因子は未だ不明である。ゲノムワイド関連解析をはじめとする臨床疫学研究から、人種間共通の結核感受性遺伝子として転写因子MAFBが候補に挙げられるが、転写因子MAFBの結核菌感染における役割については全くわかっていない。これまでに申請者は、転写因子MafBが結核菌感染制御で重要な役割を担っている免疫関連分子の抑制に関与することを見出した。そこで本研究では、転写因子MafBによる免疫抑制システムが結核菌感染においてどのように機能しているのかを明らかにすることを目的とした。
本年度は主にマクロファージを用いた結核菌感染実験を行った。①まず腹腔マクロファージを採取し、結核菌を感染させMafBの発現変化を解析したところ、結核菌数依存的にMafBの発現が亢進し、その一方で免疫関連分子の産生量は菌数依存的に減少した。②次にコントロールマウスおよびMafBコンディショナルノックアウトマウスの腹腔マクロファージに結核菌を感染させ免疫関連分子の産生量を比較したところ、ノックアウトマクロファージで産生量が顕著に高くなっていた。③また各マクロファージでの生菌数を測定したところ、ノックアウトマクロファージで菌数が減少していた。
以上の結果から、結核菌感染させるとマクロファージで転写因子MafBの発現が上昇すること、MafBが免疫関連分子の産生に関与し、生菌数に影響を与えることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンディショナルノックアウトマクロファージを用いることによって、転写因子MafBによる免疫抑制システムが結核菌感染においても機能していることが明らかになった。また結核菌感染における転写因子MafBの重要性につながる基礎データを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後引き続き、結核菌感染させたコントロールマクロファージとノックアウトマクロファージを比較することによって転写因子MafBの役割を解析するとともに、結核菌感染における生体内でのMafBの役割を明らかにするために各マウスを用いて解析を進めていく予定である。
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