研究課題/領域番号 |
23K07949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
森 一泰 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20270655)
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研究分担者 |
藤野 真之 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (50392329)
杉本 智恵 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60469955)
七野 成之 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (70822435)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 感染防御免疫 / SIV / IL-15 / CD8陽性細胞 / 自然免疫 / APOBEC3G |
研究開始時の研究の概要 |
SIV/アカゲザルモデルを用い、糖鎖変異SIV生ワクチンがサブタイプの異なるウイルス感染を制御する免疫の解明を目的とする。免疫応答の解析から、感染制御群と非感染制御には、IL-15応答性エフェクター細胞レベルに統計的に有意な違いが認められた。IL-15応答性エフェクター細胞は、単球/樹状細胞を介したIL-15刺激(trans-presentation)を受けたCD8陽性細胞であるが、その性状は未解明である。本研究では、①IL-15応答性エフェクター細胞活性化に関わるCD8陽性細胞と単球/樹状細胞のサブセット同定、②IL-15応答性エフェクター細胞の広域防御免疫機能を解明する。
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研究実績の概要 |
糖鎖変異SIV生ワクチン(delta5G )はサブタイプの異なるウイルス感染(heterologous SIV challenge)を制御する。その感染制御に関わる免疫応答の解析からInterleukin-15 (IL-15)応答性エフェクター細胞(IL-15 effectors)の重要性を明らかにした。本研究では①IL-15 effectors活性化に関わるCD8陽性細胞と単球/樹状細胞のサブセット同定、②IL-15 effectorsの広域防御免疫機能を解析する。 今年度は、delta5Gの感染と制御、感染防御免疫におけるIL-15 effectorsの役割について解析した。delta5G は野生株と同レベルの初期感染を起こすが免疫応答により感染制御された。delta5G 感染により誘導された免疫を理解するためにdelta5Gの変異について解析を行った。長期感染後の末梢単核球には、高頻度のG to A変異(in-frame stop codonsを含む)とほとんど変異がないdelta5G DNAが検出された。前者はinnate immune responseによるAPOBEC3Gによるウイルスの不活化、後者はeffectorsによる感染細胞の排除によると推測された。獲得免疫による感染抑制はescape mutantsを出現させ持続感染を起こす。delta5G 感染における低レベルのescape 変異は、IL-15 effectorsによる感染細胞排除の重要性が示唆された。以上の研究から①IL-15 effectors活性化に関わるCD8陽性細胞と単球/樹状細胞のサブセット同定のための研究材料の選定、実験方法の検討を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
delta5G 感染群とdelta5G 感染+野生株SIV239 challenge感染群を用い、ウイルス感染、末梢単核球ウイルスDNAのレベルとウイルス変異について解析した。ウイルス感染はどちらも検出限界以下に制御されたが、ウイルスDNAに違いがあった。challenge群はno-challenge群と比べウイルスDNAレベルは低く、両群には長期感染後のdelta5G変異に違いがあった。no-challenge群のDNAには高頻度のG to A変異(hyper G to A; In-frame stop codonsを生じる)が高頻度に存在した。一方、challenge群では、hyper G to Aに比べ、ほとんど変異が検出されないDNAの割合が高かった。delta5G 感染では、野生株感染で起こるアミノ酸変異を伴うnon-synonymous変異(獲得免疫からの回避による)は非常に少なく、持続感染がほとんど起こらない原因と推測された。さらに両群のウイルス変異の違いは、challenge感染の有無が原因ではないかと推測された。challenge感染によるIL-15 effectors誘導はdelta5G感染細胞、ウイルスDNAレベルをより低下させたと推測された。CD8抗体投与によりCD8+ effectorsを消失させたところ、challenge群でのみSIV239と変異ウイルスdelta3Gの一時的な感染があった。この結果は、no-challenge群では感染性delta5G は存在せず、challenge群では感染性ウイルス(SIV239、delta3G)の感染細胞が存在し、IL-15 effectorsが感染抑制していたと推測された。
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今後の研究の推進方策 |
チャレンジ感染の結果生じたSIV239, (delta5G変異による)delta3Gの感染抑制におけるIL-15 effectors の役割が示唆された。SIV543 challenge感染では、IL-15 effectors誘導の個体差が感染制御と相関した。次年度は、これらの感染動物のサンプルを用い、①IL-15 effectors活性化に関わるCD8陽性細胞と単球/樹状細胞のサブセット同定を行う。今年度の解析から、delta5Gの持続感染しない(reservoirsを作らないこと)性質と関連する免疫が示唆された。SIV239,delta3Gは持続感染することから、N型糖鎖の減少はdelta5Gの持続感染能消失の原因と考えられる。HIV治癒治療はreservoirsの消滅を目指すことから、delta5GとSIV239の標的細胞の同定は、reservoirsとなる標的細胞の解明につながることが期待される。
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