研究課題/領域番号 |
23K07954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
三鴨 廣繁 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00262775)
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研究分担者 |
山下 誠 愛知医科大学, 愛知医科大学, 客員教授 (50742722)
萩原 真生 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70647586)
浅井 信博 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80645177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイルス性呼吸器感染症 / 腸-肺相関 / 感染制御・防御 / 脂質代謝 / プロバイオティクス / 腸内細菌 / 脂肪酸 / インフルエンザ / RSウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
宿主がウイルス性呼吸器感染症に対する抵抗性を発揮するために、腸内細菌が産生した「中―長鎖脂肪酸」が担っている役割とその作用機序は十分に解明されていない。本研究の目的は、インフルエンザウイルス・コロナウイルス・RSウイルス感染症等 のウイルス性呼吸器感染症への免疫抵抗性を向上させる脂肪酸を発見し、それらを臨床で予防・治療へ応用するために、基礎的検討をおこない、作用機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ウイルス性呼吸器感染症は毎年多くの死者を出す重篤な疾患である。しかし、RSウイルス感染症は依然として治療法が確立しておらず、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルス感染症はワクチンや治療薬が存在するものの、高変異原性のため恒常的に使用が可能なワクチンの作製は困難であるため、予防や治療法の開発は社会的な急務である。 これまでに、臨床研究によって、ヒトの腸内細菌に酪酸産生菌の割合が高い骨髄移植患者は、そうでない移植患者よりもインフルエンザウイルスを含む各種ウイルス性呼吸器感染症の発症率が有意に低いことが明らかにされている(Haak BW, et al. Blood. 2018;131: 2978-2986)。しかし、その作用機序の詳細は依然として明らかにされておらず、臨床応用には至っていない。 我々が開始したインフルエンザウイルス感染マウスを使用した研究によって、長年、臨床の現場で整腸剤として使用されてきた酪酸産生菌であるClostridium butyricumを経口投与すると、コントロール群(無治療)よりも、Immunoglobulin A(IgA)やInterferon (IFN)の産生が促進されるだけでなく、肺組織中のウイルス量の減少やマウスの生存率が改善されることが認められた。さらに、その作用機序の一つとして、酪酸産生菌の経口投与により、腸管で産生促進されたω-3系不飽和長鎖脂肪酸(18-HEPE)が肺の上皮細胞でIFNの産生量の増加に関与していることを明らかにしている(Hagihara M, et al. Cell Reports. 2022;41:111755)。我々は、その他の脂肪酸に同様の効果があるか網羅的な評価をしたところ、18-HEPEの他に10-oxo-octadecanoic acidにIFN産生促進作用があることを明らかにし国際学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本計画の作成当初から予定していた、インフルエンザウイルス感染モデルマウスの確立がスムーズにできたため、酪酸産生菌であるClostridium butyricumの経口投与によって産生が促進された脂質代謝物によるInterferon産生促進作用の評価と、その作用機序の解明を目的とした研究がほぼ予定通りに実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(1)RSウイルスやSARS-CoV-2によるウイルス性呼吸器感染症に対する酪酸産生菌によるIFN産生促進作用の汎用性の評価を実施する。(2)作用機序の解明では、これまでに明らかにした、酪酸産生菌の経口投与によって腸管で産生が促進された長鎖脂肪酸による肺上皮細胞のインターフェロン産生促進効果以外の抗ウイルス効果を発現する作用機序について調査する。
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