研究課題/領域番号 |
23K07957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
中野 哲志 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (30794987)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 肺炎球菌 / 莢膜型3 / 全ゲノム解析 / 侵襲性肺炎球菌感染症 / ムコイド型 |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌はヒトに髄膜炎や肺炎を引き起こす。肺炎球菌ワクチンは莢膜をターゲットとして開発され、現在13種類の莢膜型を含む結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)が世界中で利用されている。同ワクチンの効果はムコイド型を示す莢膜型3に対しては、効果が十分でないことが知られている。本研究では、1990年台から現在に渡って本邦で検出された莢膜型3の肺炎球菌菌株の全ゲノム情報を取得し、海外の同株と比較ゲノム解析することにより、本邦の小児由来、成人由来および諸外国の同菌株の系統関係を明らかにする。また、同菌株に対するワクチン圧力の影響、諸外国からの菌株の流入による経年的な病原性変化を解明する研究である。
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研究実績の概要 |
肺炎球菌はヒトに髄膜炎や肺炎を引き起こし、市中感染症における最も重要な病原体の一つである。肺炎球菌は多糖類である莢膜を持ち、その構造の違いによって現在90種類以上の莢膜型が決定されている。肺炎球菌ワクチンはこの莢膜をターゲットとして開発され、現在13種類の莢膜型を含む結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)が世界中で利用されている。同ワクチンの効果は一般的に非常に高いが、ムコイド型を示す莢膜型3に対しては、効果が十分でないことが知られている。また、通常PCVは咽頭保菌肺炎球菌にも強い効果を示すが、莢膜型3についてはPCV接種児の咽頭からも検出される(保菌として検出される)。結果として、莢膜型3肺炎球菌が年少児から高齢者に伝播し、高齢者に肺炎、髄膜炎等の感染症を引き起こすことが問題となっている。本研究では、1990年台から現在に渡って本邦で検出された莢膜型3の肺炎球菌菌株の全ゲノム情報を取得し、海外の同株と比較ゲノム解析することにより、本邦の小児由来、成人由来および諸外国の同菌株の系統関係を明らかにする。また、同菌株に対するワクチン圧力の影響、諸外国からの菌株の流入による経年的な病原性変化を解明する研究である。 研究初年度の2023年度は、国立感染症研究所において保存されている肺炎球菌株の莢膜型試験を行い、莢膜型3株の決定を行った。そのうちの一部については既にドラフトゲノム情報を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの進行であるため。
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今後の研究の推進方策 |
ドラフトゲノム情報未取得の莢膜型3株のゲノム情報を取得する。一部の代表株については完全ゲノムの決定を行い、どの後系統解析等をおこなっていく。
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