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腎臓の脂肪酸取り込み機構の解明と脂肪酸代謝障害の病態生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 23K07973
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関群馬医療福祉大学

研究代表者

磯 達也  群馬医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10400756)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード腎臓 / 脂肪酸代謝 / 近位尿細管上皮細胞 / ネフロン / CD36 / FATP2 / kidney / fatty acid metabolism / primary urine / pathophysiology
研究開始時の研究の概要

大きく2つに分けて研究を実施する(1.マウス、2.in vitro)。
1.マウスモデルを用いて、「脂肪酸取り込みを促進する分子の同定」、「それら分子の病態形成への関与」、「新規脂肪酸取り込み制御因子の同定」を実施する。
2.腎臓の強力な脂肪酸再吸収機構を解析することが可能なin vitroの実験系を確立する。

研究実績の概要

腎臓は、原尿中の大量の電解質や栄養分を再吸収するために、心臓と並んで最もエネルギー需要が大きい臓器であり、約70%を脂肪酸のbeta酸化に依存する。しかしながら、腎臓の脂肪酸の取り込み機構はほとんど不明である。本研究は、腎尿細管上皮細胞の脂肪酸取り込み機構の解明を目的とした。脂肪酸輸送体CD36は、マウス腎臓の近位尿細管上皮細胞の基底膜に豊富に発現していた。CD36欠損マウスでは野生型に比較し、長鎖脂肪酸トレーサー(I125-BMIPP)の取り込みが、静注直後は有意に低下し、30分後には有意差は消失した。二光子顕微鏡を用いた生体イメージングにて、Fluorescein-C16(Flu-C16蛍光長鎖脂肪酸)は、野生型マウスでは投与後早期にFlu-C16の原尿通過に先立ち近位尿細管上皮細胞に集積が観察されたのに対し、CD36欠損マウスでは原尿通過後にのみ集積した。また、脂肪融解を誘導するbeta3アドレナリン受容体作動薬(CL316,243)を腹腔内投与すると、血中脂肪酸濃度の上昇に伴って、腎臓に中性脂肪が蓄積した。細胞特異的抗体を用いた検討から、脂肪蓄積細胞は、主に近位尿細管上皮細胞であり、過剰な脂肪は下部ネフロンにも蓄積した。ジフテリア毒素(DT)誘導性に近位尿細管上皮細胞が特異的に傷害されるようにDT受容体を近位尿細管上皮細胞特異的プロモーター下に発現させたマウスを用いた検討にて、近位尿細管上皮細胞傷害下では、近位ネフロンの中性脂肪蓄積が減少し、遠位ネフロンでの蓄積が増加した。これらの結果から、近位尿細管上皮細胞は脂肪酸を取り込む主要な細胞であり、CD36依存性経路で血液側から取り込む一方、CD36非依存性経路で原尿側からも取り込むことが明らかになった。また、過剰に取り込まれた脂肪酸は、中性脂肪として近位ネフロンから遠位ネフロンまで蓄積されることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた1)中性脂肪蓄積細胞の同定、2)二光子顕微鏡による脂肪酸トレーサーの取り込み動態の観察、3)近位尿細管上皮細胞障害モデルでの脂肪酸取り込みと中性脂肪蓄積の変化、4)メガリン欠損マウスの脂肪酸取り込みと中性脂肪蓄積の変化、の実験を実施し、合理的説明ができる結果を得た。最近、臓器特異的FATP2欠損マウスが完成し、腎臓近位尿細管に特異的な遺伝子欠損を確認した。近位尿細管特異的FATP2欠損マウスとCD36欠損マウスを交配して、二重欠損マウスも完成した。

今後の研究の推進方策

近位尿細管特異的FATP2欠損マウスと二重欠損マウス(FATP2欠損+CD36欠損)を用いて、脂肪酸取り込みと中性脂肪蓄積の変化を観察する。また、これらのマウスに、片側の虚血再灌流モデルや、尿管結紮モデルを作成し、脂肪酸取り込み低下と病態の変化(改善するか悪化するか)を観察する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Empagliflozin induces the transcriptional program for nutrient homeostasis in skeletal muscle in normal mice2023

    • 著者名/発表者名
      Kawakami Ryo、Matsui Hiroki、Matsui Miki、Iso Tatsuya、Yokoyama Tomoyuki、Ishii Hideki、Kurabayashi Masahiko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 18025-18025

    • DOI

      10.1038/s41598-023-45390-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Comparison between urinary fatty acid binding protein 1 and neutrophil gelatinase-associated lipocalin in acetaminophen-induced acute kidney injury in mice.2024

    • 著者名/発表者名
      Iso Tatsuya, Tanabe Rina, Matsui Hiroki, Yokoyama Tomoyuki
    • 学会等名
      日本生理学会第101回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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