研究課題/領域番号 |
23K07982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀口 和彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10737943)
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研究分担者 |
松本 俊一 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70737486)
石田 恵美 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80806357)
吉野 聡 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90786089)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中枢性甲状腺機能低下症 / 甲状腺刺激ホルモン / 下垂体 / 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
下垂体が複数種類の細胞の複合体であり、個々の細胞の詳細な機能解析は困難であったが、近年、単一細胞レベルで転写状態やクロマチン状態を解析するシングルセル解析が開発された。本研究では、これらのシングルセルゲノミクスの解析をTRH欠損マウスと視床下部室傍核(PVN)特異的TRH欠損マウスに適用し、下垂体におけるTRHや甲状腺ホルモンのTSH産生細胞への作用の分子機構や、中枢性甲状腺機能低下症における下垂体のTSH産生細胞の分子機構を解明し、中枢性甲状腺機能低下症の病態解明に寄与する。
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研究実績の概要 |
下垂体におけるTRHや甲状腺ホルモンのTSH産生細胞への作用の分子機構や、中枢性甲状腺機能低下症における下垂体のTSH産生細胞の分子機構の解明を目指し、TRH欠損マウス下垂体のscRNA-seq解析を開始した。具体的には、野生型マウスとTRH欠損マウスから下垂体組織を摘出後細断し、collagenaseやtrypsinなどの酵素を含むHank’s液内で培養し、フィルターを通して、Hank‘s液と凍結保存用培地を混合したもので再懸濁することで、条件設定を行い1つのマウス下垂体から15万個採取した。細胞生存率は下垂体処理直後約90%前後であった。個別の細胞ごとの3’ライブラリ作成を、10x genomics社のクロミウム装置を用いて、個別化のためのバーコードを含むゲルビーズを一つ一つの細胞内に導入した。細胞内に導入したゲルビーズ表面のオリゴに細胞内のRNAをキャプチャさせたのち、逆転写、cDNA増幅しライブラリを作成した。 この作成したライブラリを次世代シークエンサーを用いてRNA-seq解析を行った。現在、下垂体TSH産生細胞、PRL産生細胞のクラスターを同定するため、得られたデータについて、主成分分析、t-distributed Stochastic Neighbor Embedding、K-meansクラスリングの手法を用いて解析を行っている。 また、マウスに対する甲状腺ホルモン補充量を決めるため、TRH欠損マウスを週齢により異なる量のL-T4を皮下に連日投与し、甲状腺ホルモンを維持し、正常甲状腺機能の条件を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた野生型マウス、TRH欠損マウス下垂体の次世代シークエンサーを用いてRNA-seq解析を行いデータの取得までは順調に終了したが、予定したn数までは完全には到達していない。現在、下垂体TSH産生細胞、PRL産生細胞のクラスターを同定するため、主成分分析、t-distributed Stochastic Neighbor Embedding、K-meansクラスリングなどの様々な手法を用いて解析を行っている。下垂体は様々な細胞の集合体であり、GHやPRL産生細胞はTSH産生細胞と比較的似ているため、クラスターの完全な同定にはまだ至っていないが、初年度の予定としてはおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
TSH産生細胞とPRL産生細胞のクラスター同定をなるべく早期に得るため、必要があればn数を増加させて解析を行う。クラスターが同定できれば、それぞれのクラスター内におけるRNAシークエンスから得られた遺伝子発現量について、変動遺伝子解析、遺伝子オントロジー解析を行い、TRHのTSH産生細胞における変動する遺伝子群を網羅的に解析し、それぞれの細胞のホルモン合成に必要な遺伝子群を同定する。 その後、上記で確認できたTRH欠損マウスの遺伝子変化が、TRH欠損の直接的な影響か、甲状腺ホルモンの低下によるものかを検討するため、マウスに甲状腺ホルモンを補充しscRNA-seqを行う。さらにscATAC-seqを行うことで、変化した遺伝子群のクロマチン構造の凝集弛緩状態の変化を確認し、promoterやenhancer領域を決定していく。 さらに、視床下部室傍核特異的なものかを検討するため、視床下部室傍核特異的TRH欠損マウスのscRNA-seq解析を行い、下垂体におけるTRHや甲状腺ホルモンのTSH産生細胞への作用の分子機構や、中枢性甲状腺機能低下症における下垂体のTSH産生細胞の分子機構の解明を目指す。
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