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視床下部神経核の領域化機序の解明 : 頭部全体内における細胞挙動を捉える

研究課題

研究課題/領域番号 23K07999
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関藤田医科大学

研究代表者

齋藤 加奈子  藤田医科大学, 医学部, 講師 (50746906)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード神経幹細胞 / ニューロン / マウス頭部発生 / 細胞移動 / 視床下部
研究開始時の研究の概要

内分泌や自律神経の調節を担う視床下部は、胎生期に第3脳室近傍で生じ神経細胞へ分化しながら、同種の細胞が領域化して多様な神経核群を形成する。この各神経核領域がそれぞれ機能的な神経ネットワークを構築していくには、神経細胞の移動やその際に起こりうる 周辺細胞との接触・相互作用が不可欠であるにも関わらず、どの様な細胞の形態や動きが領域が細分化されていくのに関わっているのか、未だ不明な点が多い。本研究では、この問を明らかにする為、細胞-細胞間の時空間的関係性をマウス胎仔期の頭部全体を輪切りにした 三次元ライブ観察法を用い解明していく。

研究実績の概要

内分泌や自律神経の調節を担い、多様な神経核群を形成する視床下部が機能的な神経ネットワークを構築していくには、神経細胞の移動やその際に起こりうる周辺細胞との接触・相互作用が不可欠である。また、これら視床下部等含む間脳は、頭蓋骨にと止まらず、大脳など多くの器官に守られるかの様に囲まれ頭部深層部に存在する。 これら組織形成において、視床下部がこの近隣組織から受けるシグナル・接触により、細胞の移動・配置に大きな影響を受けることが考えられる
本研究では、視床下部発生過程における 「細胞の形態や挙動」に焦点を当て、他の脳器官よりも頭部深層部に存在する視床下部細胞群が、この近隣組織から受けるシグナル・接触、周囲組織からの拘束性による影響を受けながら、どの様に各細胞群が多様な神経核へと細分化されていくのか、細胞の移動や軸索伸長など形態の変化を、切り取られた狭い範囲だけでなく、脳原基・頭部全体範囲の中で観察をする。また組織が受ける力学的作用や多種多様な細胞が存在する生来の生理環境下に近い状態でありながらも、組織深部の細胞ライブ観察を可能にすることを念頭におく為に、頭部全体を輪切りにした三次元ライブ観察法を用い観察を目指す。それらの考慮した 視床下部原基における観察を確立した上で、なかでも体液の恒常性を司り、下垂体後葉へと投射する事が知られる室傍核(PVN)と視索上核(SON)などの領域に分かれて局在するバソプレシン産生(AVP)ニューロンの異種・近隣細胞群との関わりについて焦点を当て、細胞-細胞間の時空間的関係性を解明していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

視床下部発生過程において、どの様に多種多様な神経核へとAVPニューロンが移動し、細分化されていくのか、「細胞の形態や挙動」に焦点を当て観察していく為、まずはじめに、AVPニューロンが生まれてくると予測される時期の妊娠マウスにEdU投与し誕生時期を確認した。 さらに、ニューロン移動が活発におこなわれると予測される胎生日の胎仔頭部を極小メスにて輪切りにした後培養をし、生来の組織で起こっている細胞分裂や移動がおこなわれているか、ライブ観察及び免疫組織染色法にて確認した。また、AVPニューロン細胞の標識及び遺伝子強制発現を行う為、室傍核・視索上核に局在するAVPニューロンが誕生する胎生期の視床下部原基へのin uteroエレクトロポレーション法を行なっている。 他にも、AVPニューロンの移動の分子機構を明らかにする候補遺伝子発現のタイミングや局在、欠損マウスを用いたAVPニューロンの変化も解析中である。

今後の研究の推進方策

これまでの成果をより確実なものにするため、引き続き視床下部等含む間脳と周辺組織の観察を「細胞の形態や挙動」に焦点を当て三次元的観察していく。 これらに加え、AVPニューロン細胞が正しい配置することに、どの様な意義があるのか、まず、胎生期におけるAVPニューロンの移動を減じる、または消失させる実験を行ない、出生後にどのような影響がでるかを明らかにする。次いで、生後の視床下部の神経核の領野形成全般に対してどのような影響があるか明らかにする。もし形態的変化が認められれば、同様に得た生後マウスにて視床下部―下垂体系に関わる内分泌ホルモンの変化について確認する。これと並行して、薬剤等の化学的な刺激を加え、ライブ観察下にある組織の中の細胞の挙動に何らかの変調が認められるか、リアルタイムで観察する。また、これまでの結果と合わせて、固定標本や細胞株等を用いたvitro系実験と組み合わせる事で、ターゲット組織と近隣細胞の正常発生過程における関わり合いを裏付ける。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 視床下部におけるバソプレシン・オキシトシン神経核の領域化のメカニズム2024

    • 著者名/発表者名
      齋藤加奈子、亀山俊樹、小谷 侑、河田美穂、斎藤加奈子、 中島 昭、長崎 弘
    • 学会等名
      日本生理学会第101回記念大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 転写制御因子の遺伝子導入によるマウスES細胞の弓状核神経への分化誘導2024

    • 著者名/発表者名
      梅本梨花、塚本舜也、目良義也、久野萌花、鈴木つくし、河田美穂、小谷侑、 齋藤加奈子、中島昭、亀山俊樹、長崎弘
    • 学会等名
      理学会第101回記念大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] バソプレシン神経の分化誘導における Notch シグナルの関与2024

    • 著者名/発表者名
      久野萌花、鈴木つくし、梅本梨花、塚本舜也、目良義也、河田美穂、小谷侑、 齋藤加奈子、中島昭、亀山俊樹、長崎弘
    • 学会等名
      理学会第101回記念大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 転写制御因子群強制発現による視床下部神経細胞の分化誘導2024

    • 著者名/発表者名
      亀山俊樹、梅本梨花、塚本舜也、目良義也、鈴木つくし、久野萌花、河田美穂、小谷侑、斎藤加奈子、中島昭、長崎弘
    • 学会等名
      第49回日本神経内分泌学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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