研究課題/領域番号 |
23K08012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
下村 健寿 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90636226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | KATPチャネル / インスリン分泌 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
E23K型KATPチャネルを発現させた遺伝子改変マウス(E23Kマウス)に高脂肪食を負荷し、脳KATPチャネルの活性を電気生理学的手法(脳スライスパッチクランプ)を用いて検討する。 KATPチャネル開口を脳においても確認したのち、KATPチャネル開口が認知症発症に直接関与しているか否かを確認するために、KATPチャネルが大きく開口する変異(V59M)型KATPチャネルを脳においてのみ発現しているトランスジェニックマウスを用いてマウスの行動学的検討を行うと同時にKATPチャネル閉鎖薬であるスルホニルウレア(SU)を用いた治療効果についても検討を行う。
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研究実績の概要 |
本年においてはSU剤ならびにグリニド剤以外のKATPチャネルの活性に影響を与える可能性ある薬剤について電気生理学的に検討を行った。その結果、構造上影響を与えることが推測されたSulfamethoxazoleにおけるKATPチャネル閉鎖作用を確認した。同様にチャネル活性に影響を及ぼすことが推定されたPemafibrateに関してはKATPチャネル活性に影響を与えないことが明らかとなった。またKATPチャネルが細胞におけるシグナル伝達系にあたえる影響を調べるために、KATPチャネルを構成するサブユニットであるKir6.2がノックアウトされているマウスを用いて、RNAシークエンシングを行い、大きく変動している要素を二つに絞りこむことに成功し、そのうちの一つが神経由来であることを発見した。さらにKATPチャネルが顕著に開口することが予想されるモデルマウス(Kir6.2-V59Mマウス)を、コロナ禍において入手に予定より時間がかかったが、英国オックスフォード大学から入手することに成功した。現在本学で脳において特異的V59M変異を有するKATPチャネルを発現するマウスを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で当初予定していたトランスジェニックマウス(V59Mマウス)の英国オックスフォード大学からの入手に時間がかかってしまったが、その間にKATPチャネルノックアウトマウス(Kir6.2KOマウス)を用いて、V59Mマウス入手後に認知症との関連を調べるうえでのターゲットとなる要因について絞り込むことができた。また当初より時間がかかったが、コロナ禍の環境下で研究実施計画に記載したKir6.2-V59Mマウスの入手にも成功し、順調に研究が進行していることから「おおむね順当に研究は進展している」と考えた。
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今後の研究の推進方策 |
V59Mマウスの入手に成功したことから、速やかに脳に特異的Kir6.2-V59Mが発現したマウスを調整し、電気生理学的検討、行動解析などを行い、極端にKATPチャネルが脳において開口していた場合の行動と電気生理学的変化を正確に測定するとともに、脳における情報伝達の異常の機序についてRNAシークエンシングなどを含めて検討し、今まで得たKir6.2-KOマウスとの比較を行う。この検討により認知症との関連因子を特定し、さらには治療標的としての可能性を考察する。そのうえで2型糖尿病との関連(KATPチャネルを構成するKir6.2のE23K遺伝子多型を含めて)を詳細に検討する。
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