研究課題/領域番号 |
23K08030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
日比 泰造 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10338072)
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研究分担者 |
大段 秀樹 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (10363061)
大平 真裕 広島大学, 病院(医), 助教 (30397947)
武冨 紹信 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70363364)
海野 倫明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70282043)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20204878)
長谷川 潔 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20292906)
小倉 靖弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (20335251)
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 教授 (80359801)
楳田 祐三 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10573735)
高田 泰次 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10272197)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 教授 (80363373)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 肝門部領域胆管癌 / 生体肝移植 |
研究開始時の研究の概要 |
切除不能な肝門部領域胆管癌に対する生体肝移植(先進医療として2022年9月1日に告示)の付随研究として肝移植レシピエント中の摘出肝の臨床病理学的検討、循環腫瘍細胞の解析、摘出肝の腫瘍部および非腫瘍部のmRNA発現の網羅的解析、免疫抑制剤存在下における腫瘍増殖解析およびレシピエント・ドナーの腫瘍免疫に関わる一塩基多型解析を行い、治癒に至る分子生物学的な特性を解明する。本研究は肝門部領域胆管癌のみならず難治がんの多い肝・胆道がんの治療体系を大きく変革し、予後の飛躍的な向上に寄与することが高く期待される。
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研究実績の概要 |
我々は、切除不能な肝門部領域胆管癌(1. 肝機能が不良、もしくは残肝容積が小さい症例、2. 予定残肝の流入・流出血管へのがん浸潤で血行再建が困難・不能な症例、3. 胆管分離限界点の近傍への腫瘍浸潤症例、4. 原発性硬化性胆管炎に合併した局在不明の胆管癌)について、現在本邦で標準治療とされる化学療法あるいは放射線療法では予後が半年に満たない中、欧米ではすでに長期予後の改善が報告されガイドライン上でも推奨されている治療手段である肝移植手術の本邦における安全性・有効性を検証するべく、先進医療Bの枠組みで安全性と有効性について十分な検討を行う必要があるとされた。全国の主要10移植施設で前向き研究を行うことが先進医療会議で認められ、2022年9月1日に厚生労働省告示第265号「生体肝移植:切除が不能な肝門部胆管がん」として告示された。第I/II相 多施設共同前向き単群介入研究として5年間で20症例を登録し、切除不能な肝門部領域胆管癌に対する生体肝移植を施行した患者を移植後3年間前向きに追跡し、術後3年全生存率が主要評価項目となる(jRCT1070220052)。 本研究では、レシピエントの治癒を達成するための分子生物学的な特性を明らかにする。具体的には、1)摘出肝の臨床病理学的検討、2)循環腫瘍細胞(circulating tumor cells: CTCs)の解析、3)摘出肝の腫瘍部および非腫瘍部のmRNA発現の網羅的解析、4)免疫抑制剤存在下における腫瘍増殖解析、5)レシピエント・ドナーの腫瘍免疫に関わる一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)解析を行い、治癒に関与する因子を特定する。このために必要な組織および血液サンプルの採取プロトコルを確定させ、現在は移植を実施する共同研究施設において問題なく研究が進められるように準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では2023年度に2件の生体肝移植を実施予定であったが、実際には患者登録1件に留まった。 肝門部領域胆管癌は罹患率が決して高くない難治癌であり、研究に参加する患者のリクルートが最大の障壁となることは研究立案段階から十分に予想されたことであった。「今後の研究の推進方策」にもあるように関連学会や患者会などで先進医療Bとして臨床試験が進んでいることを周知を進め、候補患者を多くご紹介いただく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
関連学会(日本移植学会、日本肝移植学会、日本肝胆膵外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本胆道学会)を通じた研究概要の周知を行い、また患者会(デイジーの会)を通じて候補患者の紹介依頼を進めていく。さらに、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の「肝胆膵」で本臨床試験を説明する場を設けていただき、とくに腫瘍内科の先生方に周知して本臨床試験に参加している全国10の主要移植施設への紹介が進むようにお願いする予定である。
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