研究課題/領域番号 |
23K08041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
櫛引 俊宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 准教授 (30403158)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 三次元構造体 / 3Dプリンタ / 光硬化性ハイドロゲル / 細胞足場 / 薬物徐放化 / バイオマテリアル / 再生医療 / 光技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、材料学、生物科学と光技術を用いた三次元造型技術と薬物徐放化技術を駆使して、実際の生体の解剖形態に即した複合組織構造体の開発を行う。複数種類の細胞・細胞足場・細胞増殖因子から構成されるハイドロゲルを3Dプリンタにより作製し、三次元複合組織構造体とする。開発する複合組織構造体の生体内での生着や自己組織化を評価する。従来の組織工学による再生組織を凌駕するような、生体に近い力学的強度や粘弾性を有し、血管系を始めとする付属器官なども含有した生体類似組織を構築する。本研究で開発する組織構築技術は、広範な細胞種に適用可能であり、臓器や組織の再生において重要な基盤技術となる。
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研究実績の概要 |
本研究では、材料学、生物科学と光技術を用いた三次元造型技術と薬物徐放化技術を駆使して、実際の生体の解剖形態に即した複合組織構造体の開発を行っている。複数種類の細胞・細胞足場(スキャホールド)・細胞増殖因子から構成されるハイドロゲルを3Dプリンタにより作製し、三次元複合組織構造体とする。三次元構造体の構築には、これまでに独自に開発してきた「細胞に低侵襲な可視光を用いた光微細加工技術」を用いる。従来の組織工学による再生組織を凌駕するような、生体に近い力学的強度や粘弾性を有し、血管系を始めとする付属器官なども含有した生体類似組織を構築する。 本年度は3Dプリンタの材料押出ノズルにファイバLEDを装着し、材料の押出と同時に光硬化を行う装置を構築した。これまでに開発してきた光硬化性ゼラチン(Sci Rep. 2021, 11(1):23094)を用いて三次元構造体の作製を行った。しかしながら、押出と同時にゲルが流動し、光硬化するまでに構造を維持することができなかったことから、Pluronic F127をサポート材として用いることにより精度よく三次元構造体を作製することができた。しかし、実際に三次元構造体を生体に投与する際はPluronic F127を完全に取り除く必要がある。洗浄操作を繰り返すのみでは完全にPluronic F127を除去することはできない。そこで次年度は、押出する光硬化性ゼラチンにアルギン酸ナトリウムまたはキサンタンガムなどの増粘剤を添加し、サポート材を用いずに精度よく三次元構造体を作製することを試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dプリンタの材料押出ノズルにファイバLEDを装着し、種々の材料を用いて、精度よく三次元構造体を作製することができた。次年度はさらに精度よく三次元構造体を作製するだけでなく、細胞を材料に混合させ、三次元複合組織の作製を試みる。
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今後の研究の推進方策 |
3Dプリンタによる三次元構造体を作製するために、種々の材料やサポート材の検証を行った。次年度以降は、三次元構造体を構成する材料に細胞を混合させ、積層化することで、三次元複合組織構造体の作製を試みる。 最終年度には三次元複合組織構造体を実験動物へ移植し、臓器や組織の再生において重要な基盤技術とする。 「複数種の細胞を包含する複数種のスキャホールド材料」と「複数種のタンパク質性医薬品の徐放化」を複合的に組み合わせ、細胞に低侵襲な可視光加工技術を利用した3Dプリント技術により、解剖形態に即した三次元複合組織構造体を開発し、その生体内における生着や自己組織化の実現を目指す。
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