研究課題/領域番号 |
23K08048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井手 健太郎 広島大学, 病院(医), 講師 (50511565)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 抗体関連型拒絶反応 / 濾胞性ヘルパーT細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
抗体関連型拒絶反応 (ABMR) に対する治療法は確立されておらず、新規治療法の開発が望まれている。本研究では高感作マウスモデルを用い、cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4 (CTLA-4)の細胞外ドメインとヒトIgG1のFc部分との融合蛋白であるCTLA4-Igによる濾胞性ヘルパーT細胞 (Tfh) の抑制と、免疫グロブリン (intravenous immune globulin: IVIG) やボルテゾミブなどによる抗体産生細胞の抑制を組み合わせることによりドナー特異的抗HLA抗体 (DSA) 産生が制御可能か否かを明らかにするとともに、ABMRに対する新規治療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
抗体関連型拒絶反応 (ABMR) は移植臓器廃絶の主要な原因の1つであり、ドナー特異的抗HLA抗体 (DSA) の存在はABMRの危険性を高める。従って移植前のレシピエント血清中にDSAが高度に存在する場合は、移植禁忌とされている。我々はこのような高感作移植希望患者に対して、B細胞分化様式に即した脱感作療法を独自に考案し、DSA産生を制御し移植を可能とさせた。しかし移植後に新規に産生されたDSA (de novo DSA) によるABMRに対しては、治療法が確立されておらず、新規治療法の開発が望まれている。我々は濾胞性ヘルパーT細胞 (Tfh)と記憶B細胞および形質細胞を制御することで、de novo DSA産生が抑制される可能性についての知見を得た。本研究では高感作マウスモデルでB細胞分化様式に即した新規DSA産生制御法について検証し、今後の実臨床への応用を目的とした。 C57/BL6マウス (class I H-2Kb)にBalb/cマウス (class I H-2Kd) 由来の皮膚を2回移植することで、抗ドナー抗体を有するマウスが作製する可能となる。この感作マウスの末梢血および脾臓内のTfh細胞(CD4+CXCR5+PD-1+)の動態を解析した。その結果、感作が不十分であったためか抗ドナー抗体の検出が不良であったマウスではTfh細胞の検出はできなかったが、抗ドナー抗体の検出が可能であったマウスでは、末梢血にTfh細胞の検出が可能であった。今後、抗ドナー抗体の検出が可能であったマウスに対して、CTLA4-Igや抗CD20抗体を投与し、末梢血および脾臓内におけるTfh細胞(CD4+CXCR5+PD-1+)の動態を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
自研究室における研究協力者の変更により、動物実験およびフローサイトメトリー手技の習得に想定外の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験およびフローサイトメトリー手技の習得が終了したので、今後はCTLA4-Igや抗CD20抗体を投与し、末梢血および脾臓内におけるTfh細胞(CD4+CXCR5+PD-1+)の動態解析、感作マウスに各種薬剤投与した後のDSA推移の解析、薬剤の最適な組み合わせおよび投与のタイミングを検討し、新規治療法を立案する。
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