研究課題/領域番号 |
23K08060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
軸薗 智雄 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10465312)
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研究分担者 |
杉谷 巌 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
石川 朋子 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (70212850)
石橋 宰 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (70293214)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 甲状腺細胞診 / 甲状腺濾胞癌 / マイクロRNA / 分子診断マーカー |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺癌の約5%を占める濾胞癌(FTC)は、一般的に予後は良好であるが、中には生命予 後に影響を与える危険度の高い群が存在する。しかし、現状では良・悪性の鑑別は、術前は おろか病理組織診断でさえ困難なこともある。 本研究では、これまでに同定した複数の有力なFTCバイオマーカー候補が、実際に術前診断に応用可能かどうかについて、術前細胞診検体から抽出したRNAを用いて検証することを目的とする。また、健診等におけるFTCの発見機会の増加を期待して、FTC患者の血液検体 を用いて、血中RNAバイオマーカーとしての上記トランスクリプトの検出も試みる。
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研究実績の概要 |
甲状腺癌の約5%を占める濾胞癌(FTC)は、一般的に予後は良好であるが、中には生命予後に影響を与える危険度の高い群が存在する。しかし、現状では良・悪性の鑑別は、術前はおろか病理組織診断でさえ困難なこともある。我々はこれまでホルマリン固定病理標本(FFPE標本)から抽出したRNAを用いた最先端遺伝子アレイ解析により、FTCバイオマーカー候補の探索を行ってきた。得られたデータセットを解析した結果、有力なFTC診断マーカー候補としてのRNA分子(トランスクリプト)を同定した。 本研究では、これまでに同定した複数の有力なFTCバイオマーカー候補が、実際に術前診断に応用可能かどうかについて、術前細胞診検体から抽出したRNAを用いて検証することを目的としている。また、健診等におけるFTCの発見機会の増加を期待して、FTC患者の血液検体を用いて、血中RNAバイオマーカーとしての上記トランスクリプトの検出や、これらのトランスクリプトはすべて蛋白質をコードする遺伝子に由来するため、それぞれに対応する蛋白質もFTCバイオマーカー候補としてとらえ、術前細胞診検体を用いた細胞免疫染色による検出も合わせて試みることとしている。 令和5年度に実施した研究の成果としては、予備的な研究として手術直後に疑似細胞診を行って得た検体から抽出したRNAを用いて検証を行なった。有望なFTC特異的マーカー候補であるFAM19A2、LRRK2の発現は、術前での細胞診と術後の病理組織検査の結果と照合したところ、これまでのFFPE標本を用いた結果と同様の傾向があることを確認することが出来た。また、FTC患者の血液検体を用いた研究及び術前細胞診検体を用いた細胞免疫染色による研究については、準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画よりも対象となるサンプル回収及び解析に時間がかかっているものの、研究自体はほぼ計画通り進めることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
濾胞性腫瘍(FTCおよびFA)の疑似細胞診または細胞診余剰検体および病理組織からRNAを抽出し、定量的RT-PCRによる発現比較解析を進めて行く。 血液検体を用いた解析では、対象となるサンプルを収集し、濾胞性腫瘍の血液サンプルについて有望なFTCマーカー候補である FAM19A2、LRRK2、kumeri等を含めた各トランスクリプトについて発現比較解析を行う。 蛋白質発現解析による検証では、FTCおよびFAの疑似細胞診または穿刺吸引細胞診検体について、当該蛋白質に対する特異的抗体を用いた細胞免疫染色を進めて行く。
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