研究課題/領域番号 |
23K08064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
瀬谷 和彦 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40281919)
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研究分担者 |
于 在強 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40624268)
大徳 和之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50374822)
皆川 正仁 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50374830)
今泉 忠淳 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90232602)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大動脈弁狭窄症 / 異所性石灰化 / 核内受容体 / aortic valve / calcification |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈弁狭窄症は大動脈弁の硬化により開閉が制限される病態で、最終像が心不全となる。非可逆的石灰化の進行が原因で予後が悪い。 治療には大動脈弁置換術及び経カテーテル弁留置術等が行われているが、その侵襲性で耐術困難症例が約20%存在する故、薬物治療法の開発が急務である。 核内受容体の多くは、石灰化調節に関わることが知られている。 本研究は、核内受容体に着目して各々の弁異所性石灰化調節能を解析し、その分子制御機序や病態生理学的意義を明らかにするものである。 本研究の成果は、大動脈弁特異的に石灰化を制御する活性物質を同定し、石灰化進行を抑制する薬剤開発など新規の治療戦略の構築につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
大動脈弁狭窄症は大動脈弁の硬化により開閉が制限される病態で、最終像が心不全となる。異所性石灰化の非可逆的進行が予後悪化に寄与する。大動脈弁置換術及び経カテーテル弁留置術等による治療が行われているが、耐術困難症例が約20%存在し、薬物治療法の開発が急務である。大動脈弁で起こる異所性石灰化の機序は未だに不明な点が多く、有効な薬物の開発につながっていない。 申請者らは最近、核内受容体、プレグナンX受容体が非炎症性に弁異所性石灰化を刺激することを見出した。一般に、核内受容体の多くは、石灰化調節に関わることが知られているが、弁異所性石灰化への寄与は不明な点が多い。 そこで、本研究では炎症性サイトカイン、TNF-α/IL-1β添加や高リン酸条件下で弁間質細胞(HAVICs)の石灰化を誘発し、これに対する各種核内受容体アゴニストの反応を薬理学的に検証した。 48種類知られている核内受容体のうち、アゴニストの存在が明らかになっている32種類を選び、石灰化はアリザリンレッドを用いて評価した。合わせてこれらアゴニストのHAVICsに対する細胞傷害活性(ネクローシス、アポトーシス)も検証した。 その結果、ビタミンD3受容体やプロゲステロン受容体の活性化がサイトカインや高リン酸誘発性HAVIC石灰化を抑制する効果を有することを見出した。 現在他の核内受容体についても検証を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
石灰化促進作用を有する核内受容体以外に、HAVIC石灰化を抑制する作用を有する核内受容体を見出すことができたのが大きな理由である。 これらの結果は核内受容体が弁石灰化を調節する役割を担う可能性を示唆しており、さらに研究を進め、薬物開発への可能性を検証していく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、さらに多くの核内受容体について大動脈弁石灰化調節能を明らかにし、その調節機構を薬理学的、分子生物学的に検証し、明らかにしていく。
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