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IFALDにおけるKupffer細胞/xCT関連病態の解明と分子標的治療に関する探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K08069
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

長谷川 利路  鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (20294085)

研究分担者 中曽 一裕  鳥取大学, 医学部, 教授 (30379648)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード短腸症候群 / IFALD / xCT / 腸管不全 / 肝クッパ―細胞
研究開始時の研究の概要

短腸症候群等の腸管不全に伴う肝障害(IFALD)は患者の予後を左右しその主な要因として、腸粘膜の萎縮や腸内細菌叢の変化による腸管バリア機能の破綻や静脈栄養中の脂肪製剤等が考えられるが、詳細は不明である。今回ストレス下でマクロファージに発現するシスチン・グルタミン酸交換系トランスポーター「xc-系」とその構成分子xCTの発現誘導に着目し、短腸症候群、及び静脈栄養モデルにおいてIFALDを来した場合、エンドトキシンやサイトカイン、ω6系脂肪酸などにより、肝Kupffer細胞に発現するxc-系/xCT系が発症に関与するか否かを明らかにする。さらにxCT拮抗薬や抗体の治療効果まで包括的に検討する。

研究実績の概要

短腸症候群等の腸管不全に伴う肝障害(IFALD)に、各種ストレス環境下でのみマクロファージに発現するシスチン・グルタミン酸交換系トランスポーター「xc-系」とその構成分子xCTが肝マクロファージであるKupffer細胞に発現し、これがIFALDの発症に関与するか否かを検討した。方法は週令4週以降、体重5-25gのC57BL6雄性マウスを用い、開腹の上トライツ靭帯から回腸末端までの小腸80-90%を切除し端々吻合した。全41匹に施行しうち37匹に全層一層吻合が7匹に漿膜筋層が行われた。全層一層吻合を行ったwild type(n=16)に比し、xCT-KO(n=21)では生存率が高く、カプランマイヤーLogrank検定で有意差がみられた(p=0.03)。術後1日目でwildの死亡率が高く、それ以降はwild、xCT-KO共に同様の死亡原因のように見られた。術後1日目での死亡は剖検の結果多くが吻合部からの漏れ、それに伴う敗血症が原因と考えられた。術後14日目の採血は、全体で比較すると間接ビリルビン、ALTがxCT-KOで高値となる傾向にあった。肝組織ではwild typeの数匹で脂肪肝と炎症像がみられ、IFALDの病態を表していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回週令4週以降、体重5-25gのC57BL6雄性マウスを用い、開腹の上トライツ靭帯から回腸末端までの小腸80-90%を切除し端々吻合した。マウスの短腸症候群モデルを作成することは極めて難しく、これまでの多くの施設では、サイズの大きいラットを用いた実験が殆どである。全41匹に施行しうち37匹に全層一層吻合が7匹に漿膜筋層が行われ、長期生存例も得られている。全層一層吻合を行ったwild type(n=16)に比し、xCT-KO(n=21)では生存率が高く、カプランマイヤーLogrank検定で有意差がみられているが、術後1日目でwildの死亡率が高く、それ以降はwild、xCT-KO共に同様の死亡率のように見られた。術後1日目での死亡は剖検の結果多くが吻合部からの漏れ、それに伴う敗血症が原因と考えられた。xCTをKOすることで何らかの理由で吻合腸管が漏れにくくなっているのか、もしくは敗血症に対する耐性がつくなどの要因が考えられる。術後14日目の採血は、全体で比較すると間接ビリルビン、ALTがxCT-KOで高値となる傾向にあった。x CT-KOでKもやや高い傾向があることから、KOすることで赤血球の膜安定化が低下し、溶血しやすくなっている可能性がある。肝組織ではwild typeの数匹で脂肪肝と炎症像がみられ、IFALDの病態を表していると考えられた。マウスにおいて短腸症候群モデルの確立が得られたこと、採血や犠死した肝臓の標本から解析が順調に進んだことが挙げられる。

今後の研究の推進方策

今回の検討では、wild typeに比し、xCT-KOでは生存率が高く、カプランマイヤーLogrank検定で有意差がみられているが、術後1日目でwildの死亡率が高く、それ以降はwild、xCT-KO共に同様の死亡率のように見られた。術後1日目での死亡は剖検、結果多くが吻合部からの漏れ、それに伴う敗血症が原因と考えられた。xCTをKOすることで何らかの理由で吻合腸管が漏れにくくなっているのか、もしくは敗血症に対する耐性がつくなどの要因が考えられる。またIFALDに関し、剖検での肝組織ではwild typeの数匹で脂肪肝と炎症像がみられ、IFALDの病態を表していると考えられた。しかしながら、術後14日目の採血は、全体で比較すると間接ビリルビン、ALTがxCT-KOで高値となる傾向にあった。x CT-KOでKもやや高い傾向があることから、KOすることで赤血球の膜安定化が低下し、溶血しやすくなっている可能性がある。今後腸管の組織像、並びに腸内細菌叢の培養などの検討、赤血球の形態などへの影響についても検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Retrospective Analysis of Neonatal Surgery at Tottori University over the Past Ten Years2023

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa H, Takano S, Masuda K, Fujiwara Y, Miyahara F, Miura M
    • 雑誌名

      Yonago Acta Medica

      巻: 66 号: 4 ページ: 413-421

    • DOI

      10.33160/yam.2023.11.003

    • ISSN
      0513-5710, 1346-8049
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 短腸症候群モデルマウスの作成~Telescope 吻合の応用2023

    • 著者名/発表者名
      増田興我,高野周一,長谷川利路,藤原義之
    • 学会等名
      第60回日本小児外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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