研究課題/領域番号 |
23K08079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石田 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60246543)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎移植 / ABO不適合 / 補体結合能 / 移植免疫 / ABO血液型抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
ABO血液型不適合腎移植は、術前に抗ABO血液型抗体(Anti-ABO blood type antibody: ABO- Ab)を除去することで安全に実施することができる。しかし、稀に術前ABO-Ab抗体価に関係なく超急性拒絶反応(Hyper Acute Rejection: HAR)により移植腎機能喪失となる不幸な症例に遭遇する。このことからABO-Abの量(抗体価)だけでなく、質(補体結合能など)が 拒絶反応発症に関与していることが示唆されるが、その詳細は未だ不明である。本研究ではABO-Abの補体結合能を評価するため、ABO-Abの補体C1q結合試験を行い、ABO不適合移植を安全に行うための新しい指標の確立とC1q活性制御のための免疫メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
ABO血液型不適合腎移植は、術前に抗ABO血液型抗体(Anti-ABO blood type antibody: ABO- Ab)を除去することで安全に実施することができる。しかし、稀に術前ABO-Ab抗体価に関係なく超急性拒絶反応(Hyper Acute Rejection: HAR)により移植腎機能喪失となる不幸な症例に遭遇する。このことからABO-Abの量(抗体価)だけでなく質(補体結合能など)が拒絶反応発症に関与していることが示唆されるが、その詳細は未だ不明である。そこで本研究では、ABO-Abの補体結合能を評価するため、ABO-Abの補体C1q結合試験(ABO-C1Q)を行った。すると、HARを発症した症例ではABO-Ab抗体価が低下しているにも関わらず、ABO-C1q活性が高いままであったことが判明した。さらに我々は、術前脱感作療法として大量免疫グロブリン療法を受けた患者のABO-C1q活性を評価したところ、IvIG使用群ではABO-C1q活性が低下していたことが確認できた。ABO-C1q活性と抗体関連型拒絶反応の関連、およびIvIG投与による補体活性制御のメカニズムを明らかとすべく検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年1月から2023年9月までで血液型不適合移植の59症例について、脱感作療法前後のABO-Ab抗体価、ABO-C1q結合能を評価した。IVIG非投与群が21症例、投与群が38症例であり、IvIG投与後に有意にC1q活性のみが低下することが確認されている。またIvIG投与群では急性抗体型拒絶反応の発症率が低く、C1q活性低下との因果関係が示唆されている。
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今後の研究の推進方策 |
IvIGがレシピエント免疫に与えた影響を調べるべく、IvIG投与前、投与後の採血の血中転写因子活性を網羅的に解析する。得られたデータの発現変動遺伝子解析、Cybersort解析によるターゲットPhenotypeを検証する。
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