研究課題/領域番号 |
23K08090
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
桂 春作 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40457304)
|
研究分担者 |
柳原 正志 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40379954)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
竹本 圭宏 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50622213)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 乾燥線維芽細胞シート / 細胞シート / 乾燥保存 / 消化管縫合不全 / 術後合併症予防 / 線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管の縫合部が破綻する消化管の縫合不全は長期入院や再手術、時に致死的な転帰を辿る重篤な術後合併症である。縫合不全は縫合部の血流低下による創傷治癒の不良に起因すると考えられているが、有効な予防法はない。我々は長期保存可能な乾燥積層線維芽細胞シート(乾燥細胞シート)を開発した。乾燥細胞シートは操作性と保存性の点で従来の細胞シートよりも優れるため、外科手術時の組織の補強材として実臨床への応用の実現性が高いと考えた。本研究の目的は、ラットの食道縫合モデルにおいて乾燥細胞シートの貼付が食道縫合部の組織修復を補強することを明らかにし、縫合不全の予防法を確立することである。
|
研究実績の概要 |
本年度は、ラット由来の乾燥線維芽細胞シート作製を行った。 ラット(Wister/ST、10週齢、オス)の粘膜及び尻尾の組織から線維芽細胞を単離し、細胞シートの作製を行った。作製した積層線維芽細胞シートをシリコン上で乾燥させ、乾燥線維芽細胞シートの作製を試みた。 粘膜由来の線維芽細胞シートは乾燥させると欠損しやすくシート状の剥離が困難であり、乾燥積層線維芽細胞シートの作製の成功率が低いという問題点が分かった。一方、尻尾由来の線維芽細胞シートは乾燥が容易で成功率が高い結果であった。尻尾由来の線維芽細胞シートを作製する際にRhoキナーゼ阻害剤(Y-27632)を添加したところ、Rhoキナーゼ阻害剤の添加により線維芽細胞シートの成功率は13%から75%へ上昇し、容易に欠損のない乾燥積層線維芽細胞シートが作製可能となった。尻尾由来(Rhoキナーゼ阻害剤添加)の線維芽細胞シートは5~6層で厚さの平均が45μmであった。尻尾由来の積層線維芽細胞シートは粘膜由来と比較して積層した細胞数が多く、厚くなっていた。また、尻尾由来の積層線維芽細胞シートにおいて、Rhoキナーゼ阻害剤を添加しても層数や厚さに明らかな変化はない結果が得られた。しかし、尻尾由来(Rhoキナーゼ阻害剤添加)では、添加していない尻尾由来と比べて、乾燥前の線維芽細胞シートが培養液中に分泌するVEGFやHGFの量が劣っていたが、粘膜由来と比較して同等のレベルであった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット由来の乾燥線維芽細胞シートを作製できる条件を見出すことが出来たため。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、ラット食道縫合モデルに対して、乾燥線維芽細胞シート移植の治療効果を検討する。
|