研究課題/領域番号 |
23K08107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
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研究分担者 |
高野 重紹 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20436380)
久保木 知 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (50571410)
三島 敬 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70802560)
小西 孝宜 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80865882)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肝内胆管癌 / メカノトランスダクション / ECM / 微小環境 / 組織硬度 / yes-associated protein / 癌間質 |
研究開始時の研究の概要 |
癌間質における細胞外マトリックスの硬度変化は、力学的なシグナルとなって細胞内に伝達(メカノトランスダクション)され、細胞機能や形質転換に関与していることが示されているが、本研究は、肝内胆管癌における細胞外マトリックスの硬さと、癌間質の量と質との関係を明らかにし、その力学的シグナルがメカノトランスダクションを介してどのように癌細胞や癌間質の線維芽細胞、マクロファージに影響を及ぼし、悪性度を高めているか、体系的に明らかにすることを目指している。そして、本研究で得られた成果を、間質の硬さを起点としたメカノトランスダクションを抑制する、という肝内胆管癌に対する新たな治療法開発の基盤にしたい。
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研究実績の概要 |
腫瘍間質における細胞外マトリックス(ECM)の硬度変化は、力学的なシグナルとなって細胞内に伝達(メカノトランスダクション)され、細胞機能や形質転換に深く関与しているとされる。ECMの硬度増強は、コラーゲンやエラスチンなどの産生亢進、沈着、分解阻害のみならず、それらを架橋し、組織化することによってもたらされるが、その変化は、細胞の表面に存在するインテグリンやPiezolといった焦点接着斑によって感知され、連結している細胞骨格が、FAKなどの活性化とともに、再構成や張力変化を起こし、yes-associated protein (YAP)やそのパラログであるtranscriptional coactivator with PDZ-binding motif (TAZ)という転写共役因子を活性化し、核内でTEADsなどの転写因子とともに遺伝子発現を誘導する、と報告されている。肝内胆管癌は豊富な線維性間質を持ち、かつコラーゲンやエラスチンの共有結合による架橋を促進するlysyl oxidase (LOX) familyの発現亢進も伴い、高度なECMの硬さと質を有しているとされ、また、stemnessとEMTの維持には、YAPの活性化が重要であることが示されていることから、メカノトランスダクションとそれに関わる因子が肝内胆管癌の進展に深く関わっていると考え、検討している。現在まで、96例の肝内胆管癌臨床検体を用いて、組織間質量の評価を定量的に解析するとともに、LOX、LOXL2、periostin、各種インテグリン、Piezol、FAK/p-FAKなどの発現とYAPの癌細胞核内発現との関係を免疫組織染色で行っている。現状ではこれらの発現とYAPの癌細胞核内発現は相関し、外科切除後の予後に関係することを見いだしている。また、臨床検体で腫瘍の硬さを前向きに測定し、データを収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた解析では、条件設定などで時間を要したが、条件も整い、データも集まりつつある。多くの分子について検討しているため、その解析には時間がかかったが、概ね順調に進展している。なかでも、間質量が多い肝内胆管癌の切除後予後が間質量の少ない肝内胆管癌の予後よりも有意に悪いことを示し、間質量とp-FAKが有意に相関していることも明らかにしている。また、p-FAKの発現と間質のCAFやM2マクロファージとの相関も見いだしている。in vitroでの細胞培養は概ね順調に確立しつつあり、目的の実験にとりかかっている。動物モデルに関しては、臨床検体での検証、in vitroでの検討後に行う予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き研究目的に沿って臨床検体および細胞株を用いて肝内胆管癌におけるメカノトランスダクションの役割ついて解析をすすめる。特に、前向きに測定している腫瘍の硬さと、それに対応する切除後の臨床検体を用いたメカノトランスダクションに関連する分子との関係について検討をすすめる予定である。最終的にはマウスモデルを用いてin vivoで検討するとともにLOX阻害剤やFAK阻害剤を用いた解析につなげていくことを考えている。
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