研究課題/領域番号 |
23K08113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
内原 智幸 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 客員研究員 (60835172)
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研究分担者 |
石本 崇胤 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 部長 (00594889)
安田 忠仁 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 客員研究員 (00867947)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 胃がん / CAFs / エピゲノム / シングルセル解析 / 単一核マルチオーム解析 / オープンクロマチン領域 |
研究開始時の研究の概要 |
The Cancer Genome Atlas (TCGA)の研究者らが2014年に報告した胃がんの遺伝子型サブタイプ分類に関する研究成果から、胃がん進展におけるドライバー遺伝子の同定とともに、腫瘍間質(ストローマ)の重要性が明らかになった。本研究は、未だ胃がんにおける機能の全貌が明らかになっていないシングルセルレベルでのオープンクロマチン領域におけるDNAアクセス性及び遺伝子発現に焦点を当てることで、エピジェネティックな多様性を理解し、腫瘍間質に対する新たな治療ターゲット創出につながる研究を実施できる。
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研究実績の概要 |
スキルス胃がんに代表されるびまん性胃がんは豊富な間質を伴い、切除不能な転移を引き起こしやすい事が知られている。腫瘍間質は様々な細胞から構成されているが、特にがん細胞等により活性化された線維芽細胞はCancer associated fibroblast (CAFs)として様々な液性因子を分泌しがん進展を促進する。またびまん性胃がんは遺伝子変異数やコピーナンバー異常の率が低いことが示されており、びまん性胃がんの高い悪性度はCAFs等の間質細胞からの影響を強く受けていると考えられる。申請者らは胃がんのシングルセルRNAシーケンシングによりCAFsを3つのサブタイプに分類したが、多様性を持びまん性胃がんにおいてはマルチモーダルな解析を組み合わせることが望ましい。今回、エピジェネティック制御の結果DNAのアクセス性が高い領域であるオープンクロマチン領域をターゲットとした、単一核マルチオームATAC・RNAシーケンシング解析をおこなう。本解析により胃がん組織のオープンクロマチン領域におけるDNAのアクセス性及び同部位における遺伝子発現解析を同時におこなうことが可能である。さらに本研究の目標は、エピゲノムにも注目した胃がんCAFsの新たなプロファイリングをおこなうことである。これらの統合解析により、従来のシングルセルRNAシーケンシングのみでは明らかにできなかったエピジェネティックな多様性を理解し、腫瘍間質に対する新たな治療ターゲット創出につながる研究を実施できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃がん組織から単一核マルチオームATAC・RNAシーケンシング解析のためのライブラリ作製を試みているが、解析に値するクオリティの担保が難しく試行錯誤している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
本シーケンシングには組織からの核抽出が必要であるが、核のクオリティ維持が非常に難しい。現在、核抽出後にflow cytometryによるsortingをおこない、クオリティの確認をしようとしている段階である。
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